REVERコラム

リサイクル市場動向 ~鉄、非鉄、雑品スクラップ編~

廃棄物処理業・資源リサイクルのリバーグループの堀口です。このコーナーでは、リバーグループと取引先の各市場の関係者にご協力いただき、リサイクル市場の生の声をお伝えします。

鉄スクラップ

国内で取引される鉄スクラップは、現状弱含みで推移しつつ様子見の状態が続いている。そのような中、湾岸地区で一時下がっていた価格が船積に合わせた集荷により、相場見合い(※)の水準まで戻すなどの動きも広がっている。輸出環境としては、輸出契約(※)が残っている海外製鋼所の滞船や、船賃上昇を理由とした配船の遅れが生じている。そのため、船積み集荷が需給に影響(値上げ)を及ぼす可能性は低いものと思われる。今後の市況を予測すると、上記の通り滞船や配船遅れのために、瞬間的に在庫水準が多くなるとは言え、国内製鋼所は増産計画にあることと、11月の連続操業や、配船遅れとなっている契約残船が入って来ることを考えると、弱含みとはいえ各社の値下げベースは調整程度とどまるものと思われる。

(※)用語解説
<相場見合い>
市場において、売りと買いの数量がつり合っている状態をさします。
<輸出契約>
鉄スクラップは、輸出業者が事前に相手国の業者と価格も含めて輸出契約を締結します。その後、配船されたタイミングに合わせて国内の鉄スクラップ業者を通じて集荷されます。船積みはロットが大きく、天候などの影響で日程が集中することが少なくないため、市場価格への影響は無視できません。なお、その時々の市場価格で集荷、為替水準で決済するため、事前に締結した輸出価格とのギャップにより損益に影響がでることがあります。

(鉄スクラップ担当 鈴徳 鈴木隆幸)

非鉄スクラップ

10月に入り中国国慶節前までは連休明けの相場下落を警戒し銅相場は頭打ち感があったが、実際は国慶節明けの中国市場は亜鉛の上昇もあり非鉄商品全般、強含みな展開となった。米NYダウ平均が史上最高値を更新、為替市場では非鉄と相関性の高いユーロが対ドルで強含みなどの要因も重なった。中国の共産党大会を前に一段高を狙う投機的な動きの中、非鉄で割安感のあった銅に買いが入って3年ぶりに最高値を更新した。国内総生産(GDP)が減速した事や利益確定売りを浴び一旦は下がったが投資家の思惑買いもあり上値追いの流れは続くとみられる。来年から銅スクラップの輸入ライセンスに対する規制を強化するのか、共産党大会閉幕後の中国の動きに注目が集まる。

国内流通では荷繰り(※)に困っている所は少なく、高値警戒感(※)もあり全体的に買い気が弱く、黄銅系に関してメーカーは、リターン材(※)で賄っている状況が続いている。発生も少なく銅建値の上げ下げによる市中の荷動きは、ほとんど見られないが、銅相場自体は高値安定が予想される。

※用語解説
<荷繰り>出荷や生産を見越して在庫や集荷の調整を滞りなく行うようにすること
<高値警戒感>価格が上昇しているなかで、反動で下落を警戒する市場心理のこと
<リターン材>成形、加工時に発生する端材のこと

(非鉄担当 鈴徳 茂木 章弘)

雑品スクラップ

雑品とは非鉄付き鉄スクラップ(通関上mix metal scrap)で工業雑品、家電雑品に大別され、モーター、配電盤、エアコン類、湯沸器、廃プラスチック類、電線、基盤類等を含む混合スクラップの総称。日本からは年間150万トンが通常はバルク船(※)で1000~2000トン/船の単位で輸出されており、ほぼ全量は中国市場に流通している。今年になって雑品スクラップを取り巻く状況が激変している。日中両政府による法改正により環境規制が強化され、雑品の流通量が縮小している。まず、中国においては4月に国外廃棄物の輸入を禁止する「固体廃棄物輸入管理実施法案」が審議通過した。これを受け、中国内の現地検査で各種ライセンスの停止措置が拡大し、雑品輸入は半減、電線は激減、廃プラスチック類、基盤類は基本的に全面ストップ状態となっている。来年の輸入枠は40%減、再来年は全廃との情報もあるが定かではない。また、日本においては6月にバーゼル法、廃掃法の改正となり、現在は政省令の制定に向けた検討会等で、環境、防災の観点を中心に、違法性も危惧される雑品ヤード対策が協議されている。届け出制による行政指導強化が期待されている。

※用語解説
<バルク船>ばら積み貨物船などとも言い、コンテナなどの容器に入れずに、バラでそののまま船に積み込む形式です。

(海外担当 フェニックスメタル 前田政司)

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