REVERコラム

リサイクル市場動向 ~鉄、非鉄、中国輸入規制関連~

廃棄物処理業・資源リサイクルのリバーグループの堀口です。このコーナーでは、リバーグループと取引先の各市場の関係者にご協力いただき、リサイクル市場の生の声をお伝えします

鉄スクラップ

鉄スクラップの市況は、当面大きな変動は見込まれていない。
先週の国内の鉄スクラップ市場は、高値寄り(※)電炉メーカーの価格調整により弱含みで推移し始めた。特に北関東の高値寄りメーカーに荷が集中した結果、かえって荷止め、荷制限等(※)が発生し価格調整等が続く可能性がある。また、輸出環境は新規輸出成約はこう着状態が続き、直近に行われた組合(※)の入札も思ったほど振るわなかった(高い値段が付かなかった)ことが今の輸出環境を表している。よって足元の相場は弱含みで推移すると思われるが、これから夏を迎えるにあたって市中の品枯れ(※)等も例年発生していることもあって、しばらく綱引きが状態が続くものと考える。

 ***用語解説***
<高値寄り>
他社と比較して高い値段で購入している

<荷止め、荷制限>
鉄スクラップの入荷の停止

<組合>
鉄スクラップ業者は組合を作り共同して入札することが多い(特に輸出の場合)。

<品枯れ>
夏季には工事等が少なく、スクラップ(品物)の発生量が減る。

(鉄担当 鈴徳 鈴木隆幸)

非鉄スクラップ

非鉄の国際市況は比較的堅調である。
6 月はG7 サミットや米朝首脳会談、米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会など重要なイベントが目白押しだったが、銅相場急騰に最も影響を与えたのは1 日から世界最⼤銅鉱⼭であるチリのエスコンディダで労使交渉が始まり、⻑期化するとの見方が投資家心理を刺激したことだった。
スクラップの輸出状況の改善は見られないものの、この相場高騰を受け多少値段が付いて(※)きている。しかし、中国天津・広東省の79 月輸入ライセンスがほぼ下りておらず、輸出業者は東南アジアに新たな向け先を開拓している。
海外の市況はしっかりしていてるが、国内ではアルミやステンレスなどのスクラップはユーザー側の在庫が多いため需要は比較的弱い。
米中貿易摩擦が危惧されているが、関税の応酬、関係悪化にて今後、世界経済へ悪影響を及ぼすことになれば、非鉄スクラップ価格の下落の懸念材料となりうる。 

 ***用語解説***
<値段が付く>
相場取引の場で、売り手と買い手の間で値段について合意ができ、取引が成立すること

(非鉄担当 鈴徳 茂木章弘)

中国輸入規制

昨年後半から始まった中国による固形廃棄物の輸入規制により、国内に多くの廃棄物、有価物が還流してきている。直接規制されている、廃プラ、古紙、雑品スクラップは当然のこと、それ以外のすべての有価物、廃棄物の処理が何らかの影響を受けていると言っていいだろう。国内処理量が増えることにより、処理費の上昇、それに伴う中間処理施設の増加が見込まれるが、その先の焼却(サーマルリサイクル)施設や最終処分場の増強には時間もコストもかかる。それまでに国内処理が滞れば、滞留、不法投棄の懸念がある。排出事業者としては、中間処理後の廃棄物の出荷先に注意すべきだろう。特に関東圏においては最終処分場がひっ迫しており、関西や九州、東北へ流出・運搬するためコストが上昇、安定操業しているサーマルリサイクル施設も容量オーバーとなり、コストアップに応じなければ出荷先がなくなり、在庫が滞留することになる。対応方法は処理業者によって違うため一概には言えないことから、個別に出荷先の確保状況をヒアリングし、必要に応じて出荷状況を確認するために何らかの証票を見せてもらってもよいだろう。
なお、輸入規制品目は2019年末までに段階的に追加される予定であり、状況は今後より一層深刻化する可能性がある。

MVJ 堀口昌澄 循環経済新聞記事などを参考に作成)

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