REVERコラム

至言じゅんかん『総合判断説の本当の問題点』

廃棄物処理業・資源リサイクルのリバーグループの堀口です。

廃棄物処理法第2条で、
「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
と定められています。 

しかしこれでは、言語明瞭ですが、「ごみ」や「粗大ごみ」など、その意味するところが人によって異なり、正式には総合判断説が取られています。総合判断説は通知や最高裁判所の判決で支持されている、最もオーソライズされた考え方です。一般に広まっている「有価物として販売できるかどうか」という判断基準は、総合判断説の判断要素の一つに過ぎず、他の要素と合わせて判断することになります。
参考までに、総合判断説について参考になる通知などのリンクをまとめました。 

野積みされた使用済みタイヤの適正処理について 
建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について
行政処分の指針について(通知)

最高裁判所判決(廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件)

総合判断説の問題点は、判断要素は提示されていますが、基準がない、ということです。例えば、宅配便の料金を決めるときに、縦・横・高さを測り(重さも関係しますが、ここでは省略)、その合計の長さで料金が決まります。関東から関西へ運ぶなら、60㎝までなら1,015円、80㎝までなら1,231円という感じです。http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/business/send/services/takkyubin/

総合判断説は、「縦・横・高さ」の代わりに、「性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思」を測ります。ただ、この合計が何点だと廃棄物なのか、という具体的な基準がないのです。それにそもそも、測り方の指定がなくメートル法か尺貫法かヤード・ポンド法かすら分からないような状態です。だからと言って安易に点数化してしまうと、廃棄物とすべきものが有価物になったり、有価物とすべきものが廃棄物となったりするでしょうから、実際には難しいと思います。では、抽象的な概念としての廃棄物のイメージが共有されているかというと、されていないと思います。現実に総合判断するにあたっては、売却されてるなら、その他の要素がよほどひどくなければ有価物になりますし、売却できないなら、それ以外の要素が相当に有価物寄りでも、有価物と判断することに社会的なメリットがない限りは、廃棄物になるでしょう。つまり、結局は有価無価で判断してしまっています。

しかし、一般用語としての廃棄物は「捨てるもの」を意味しているのではないでしょうか。例えばリサイクル費用を払って家電を引き取ってもらう人は、それを廃棄物だとはあまり思っていないような気がします。この感覚を基礎にして総合判断をすれば、全く違った判断になるはずです。

廃棄物処理法ができた当時は、基本的に焼却、埋立、海洋投棄を想定し、当然処理費が払われていました。一方、許可不要とされた専ら物をはじめとしたリサイクル品は、有価取引されていました。そこへ、処理費が払われるリサイクルが出現したところ、「専ら4品目ではないのに許可不要とはできない」と考え、若干の違和感を感じながらも廃棄物として許可を取らせてきたのではないでしょうか。本来は、諸外国同様、リサイクルするものについては焼却、埋立を前提とした廃棄物処理制度ではなく、別の制度が必要だったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

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