REVERコラム

大事なのは、失敗してもいいから自分で決める事|資源選別のトップランナー「株式会社アビヅ」が大切にしている想いとは。

「募集をしても人が来ない」「目の前には、すべきことが溢れている」日本のあらゆる職場で、当たり前のようにこのような会話が飛び交っているのではないでしょうか。今を生きる私たちは、人口減少という事実と向き合いながら先が読めない時代の中で将来のことを考えていなかければいけません。50年後の日本は、今よりも4500万人の人口が減少するといいます。今回取材させていただいたのは、テクニックだけではなく一人一人の本来持っている能力を引き出すための仕掛け作りを、積極的に取り組んでいる株式会社アビヅさん。なんとアビヅさんは、昨年まで、全く採用に繋がらなかった求人広告で、ある事を変えたら、突然応募数が10倍にもなって、書類選考ができるほどにまでなったそうなんです。

ダスト選別のトップランナー株式会社アビヅ(名古屋)

2015年12月に当社と包括業務提携を締結した株式会社エンビプロホールディングスグループで、自動車解体やプラスチックのリサイクル、産業廃棄物の処理を行っており、30を超える選別機で徹底した選別や再資源化を実現しています。”モノからモノへ”の精神は、創業時から変わらずに持ち続け、資源循環型の経済モデルが主流になっていく中で、ますます注目が高まる企業の1社。変化に対応しながら企業として成長していけるだけのアイデアと機動力はいったいどこから来るのでしょうか。創業メンバーである常務の金田さんと2004年にジョインされた上席部長の佐野さんにお話を伺ってきました。

プロフィール

 常務 金田稔さん

1996年、株式会社佐野マルカ商店入社、07年より現職。趣味はガーデニング。

 上席部長 佐野拓也さん

2003年、株式会社佐野マルカ入社、17年より現職。趣味は写真。

 リバーグループ 中田屋株式会社 富田

元エンジニアで機械マニア。

 リバーグループ 株式会社鈴徳 三浦

リバーグループの営業最前線。

 

三浦
三浦

今日は宜しくお願いします。まずは創業時について教えてください。

佐野さん
佐野さん

当社は親会社がオークション運営会社ですから、オークションから流れた車が当社に回ってくるんです。最初は自動車の解体だけを行い、2005年までに、再資源するための主要なプラントを一気に作りました。投資を先に行い、許認可や設置で時期が少しずつずれていったんです。最初に営業を始めた頃は設備が無かったので、スクラップ屋としての認知度が高かった佐野マルカ(親会社/現エンビプロホールディングス)が「複合材料の受け入れもできる」「燃料化することができる」と言ってもお客様はぴんと来ない。見積もりを出しても比較対象にされるだけでした。

設立から6年、最初の領域拡大へ

富田
富田

2009年に基板破砕プラントを入れて、2011年にISO27001を取得されていますね。過去の流れとは違うポイントのように見えるのですが、時代の流れを察知したという事なのでしょうか?

金田さん
金田さん

そうですね。この地区は電子部品工場がたくさんあるんです。模倣品やスクラップで出たものが転売されているという話をよく聞きました。

富田
富田

分ける事と再資源化する事の徹底がすごいですね。あらゆる資源が混合された状態の、いわゆる複合材料も、分ける事によって燃料化や還元剤などに製品化されています。こういった取り組みは昔からですか?

佐野さん
佐野さん

モノを綺麗にして国内循環できるところまで持っていくというのは当初からありました。愛知県の発生工場は国内処理を希望する企業が多かった。ゼロエミッションですね。そのためには分けないといけない。だから僕らもその方向へ走ったんです。

富田
富田

リバーグループでは、今海外の環境規制の話題が注目されています。御社ではどうですか?

佐野さん
佐野さん

”モノからモノへ”と言っても、再資源化できない物はお金を払って処理しています。全く苦労していないということはないですよ。1つでも多くの再生資源を作るためには膨大な人とお金をかけて努力している。大変な思いをしているのは一緒で、そこにはトラブルもあるし、売れるモノが売れなくなるという事もある。大変な度合いが違うだけで、同じように大変な思いをしています。自分たちが頑張れば何とかなるのか、自分たちではどうしようもないのか、どっちかを選ぶのであれば僕らは自分たちで努力して解決に近づける道を選びます。

三浦
三浦

最近は、廃プラスチックの規制が特に注目されています。プラスチック系で再資源化しているものというとどのようなモノになるのですか?

金田さん
金田さん

RPF、燃料プラ、還元剤、フォーミング抑制剤などですね。再生資源は、市場環境によって売れていたモノが売れなくなってしまう事もある。逆に、努力すれば、再生資源として売れるようになるんです。2014年に特許を取得した製鋼用副資材“マイプラ”は、 売れる前は2億円のコストをかけて処理していたのですが、売れるようになって1000万円ほどの利益になったんです。愛知県主催の愛知環境賞という制度があって、2012年に名古屋市長賞をいただいたんです。エポックというトヨタ自動車関連の企業が共催ということもあり当時トヨタ自動車の副社長が来社してくださいました。その時に「これはいいな。マイナスからプラスだな」という発言をされて、商品名が“マイプラ”になりました。あの時は、工場を一日止めて掃除しました。うちの会社が一番綺麗になった日ですね笑。

大事なのは、失敗してもいいから自分で決める事

富田
富田

設備は、20年後30年後の事を考えると仰っていましたが、ラインを変えるアイデアは、工場で働いている方からも出ますか?

佐野さん
佐野さん

はい。営業サイドからは出張報告が回るので、そういうものを参考にしています。それから安全のほうから上がってくることもある。できるだけ社員が知り得た動向は共有するようにしているので、その中でなんとなく皆がこうなるだろうなという風に思っている方向性がある。それが何かのきっかけで一気に繋がっていくんですよ。当社は個人の裁量で決めることが多い。もちろん稟議は書きますけどね。そうすると、個々の中に「これ以上はまずい、これはいける」そういった感覚が育つ。上からこうしろって言って失敗すると、すぐ上のせいにしますよね。でも自分で決めたことの失敗は堪えますよ。大きく違ったことじゃなければ良いと思いますよ。だってやりたいって言ってダメだって言われたら嫌じゃないですか。笑

労働環境をもっと明るく

三浦
三浦

労働不足はいかがですか?

佐野さん
佐野さん

去年までは本当に人が採れなくて、有休の消化率を上げようということで今年から年間の休日数は変えずに9連休を3回(正月とお盆とGW)作ったんです。それで求人媒体に出稿したら、突然応募数が増えて、書類選考できるほどになったんです。入社してきてくれた社員への福利厚生も、ここ1-2年で充実させました。食堂完備や残業代の細かい支給、時間単位の有休取得制度等。今まではお弁当だったのですが、昨年11月に食堂をオープンさせ、今年の4月からは1食250円で食べられるんですよ。来て貰った運転手や取引先にも利用していただいています。今年はこの後、作業服をもっとかっこいいデザインに変えます。工場はちょっと薄暗いから、明るい色(赤)にするんですよ。機械も緑と青だけじゃなくてかっこいい色にしたいですね。

富田
富田

就業環境を明るくするという意味でもウェアの変化は大きいですね。

佐野さん
佐野さん

日本の工場はだいたい同じスタイルじゃないですか。服装も機械も。それを一掃したい。最初は色々な声があると思うんです。そしてそれが過ぎたときに「なんかあそこの会社面白ね」って、そうなればいいなと思います。

都市型リサイクル施設の挑戦

「ちょっとの失敗だったら取り返せる。誰も導いてくれないから、未来は自分たちでつくるんです。」とリーダーシップを取りながら背中を押してくださる金田さん。そして、「だってやりたいって言ってダメだって言われたら嫌じゃないですか。」と、誰よりも相手の気持ちに寄り添う佐野さん。取材を通して、たくさんの挑戦と成功の裏側には、テクニックだけではない強さとしなやかさがあるということを学びました。

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REVERコラム」は、日本の持続可能な社会のカタチを、静脈産業の立場から考えるコラムです。企業の垣根を超えて、ビジョンに共感する人々をチームと捉え、ともに環境課題を解決していくことを目指しています。

REVERとは、「re」と「ever」を組み合わせた造語です。それを組み合わせた「REVER」には、「河」の流れのように、やがてすべてのものを産み出す海へとつながる(つまり再生への道のりを歩んでいる)と言う意味と、左右どちらから読んでも「REVER」になることから「終わりがない」「終わりが始まりへとつながっている」つまりループ(循環)している、と言う意図を込めています。また「REVER」は、フランス語で「夢を見る」と言う意味があります。このような意味を胸に、私たちは、常に前を向き、思い描く将来に向かって企業価値の向上に努めます。

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