
日本最古の「鉄橋」をわざわざ見に行くのは私だけであろう
2019年02月27日

資源リサイクル・産業廃棄物処理業のスズトクの若手営業担当のコラムです!! 入社以来スズトク一筋の社員の、生の声をお届けします。
目次
鉄くず小僧です!
2月ともなると寒い日が続きましたね。
この寒さに平気で耐えられる強靭な身体が欲しいものです。
耐候性鋼
ところで、鉄の種類に「耐候性鋼(たいこうせいこう)」というものが有るのは御存じでしょうか?
この「耐候性鋼」、字のごとく、太陽光・風雨・温度変化など、どんな環境の変化にも耐えられます。
とはいっても、基本的に鉄は天候には耐えられますが。
「耐候性鋼」は一般の鋼材よりも銅や燐などの含有量を多くしたものですが、決して「サビない鋼」になるわけでもありません。
しかし、この鋼に出来るサビは、緻密な層となっており、これがサビの進行を防ぐ働きをし、母材を保護します。
では、この「耐候性鋼」はどの様な場所に使われているのかというと、鉄橋が多いそうです。
日本全国の道路には、橋長2メートル以上の橋は約80万橋あり、15メートルに絞っても約14万橋もあるそうです。
橋には、他にも、石橋や木橋、鉄筋コンクリート(RC)やプレスコンクリート(PC)のものもありますが、鉄橋が最も多いようです。
なぜ、鉄橋が多いのかというと、やはり「耐候性鋼」が用いられるため、強度があり、造りやすく、補修や撤去も容易だという事です。
また、サビやすいという弱点も、塗装などのメンテナンスをしっかりと行えば、100年以上は十分に持つからです。
「そうか!この冬の寒さを耐える身体作りには、塗装とメンテナンスか!」というのは冗談で。
ここで、私、鉄くず小僧、気になる事が出て来ました。
「現存する日本最古の鉄橋はどこにあるの?」かと。
現存する日本最古の鉄橋
調べたところ、1868年(慶応4年)に建設された、長崎県の中島川に架かる橋で【くろがね橋】がそれにあたるそうです。
見に行きたいと思うも、私、鉄くず小僧の拠点からは到底見に行けない。
それなら、2番目に最古となる鉄橋はどうか!?と調べたところ、こちらは東京都江東区に存在しているという事で、早速行ってみました!
それがこちら、弾正橋(八幡橋)。
えっ?って思いましたか?
私は、こんな所に有るの!?と正直、驚きました。
ですが、鉄を主材料として造った鉄橋としては日本最古のものと言われ、国の重要文化財に指定されているそうです。
文明開化のシンボルのような橋
もともとは、明治11年東京都京橋区(現・中央区)に存在した、楓川に架けられた八幡橋(旧弾正橋)がこちらに保管されたそうです。アメリカ人技師のスクワイヤー・ウィップルの発明した特許をベースに架橋した「文明開化のシンボルのような橋」とも言われているそうで、平成元年には、アメリカ本土においてもこの形式の橋が少ないことから、貴重な文化遺産として認められ、日本で初めて米国土木学会から「土木学会栄誉賞」が贈られています。
こちらが、アメリカ「土木学会栄誉賞」のレリーフ
明治11年に架橋された、八幡橋(旧弾正橋)は、橋長15.76m(8間2尺)、幅9.1m(5間)で、まだ馬車の往来程度しか想定していない幅だったそうです。
現在は埋め立てられ、八幡堀遊歩道となっていますが、移設当時は、富岡八幡宮の東に流れる運河(八幡堀)として、材木問屋が並び、運河にも巨木が浮かんでいました。
また、今は、深川門前仲町景観重点地区にも指定され、昔ながらの情緒が残されているので、皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、初めて鋼を使用し道路橋にした鉄橋は、926年(大正15年)に、東京都江東区永代1丁目から東京都中央区新川1丁目、隅田川に架かった【永代橋】がそれにあたるそうです。
それでは、最後に、八幡橋の上からの景色を見て頂きながら、お別れを。