
わずかな差異から正体見抜く! 金属選別の達人
2019年03月25日

リバーグループでの”匠”をご紹介します。今回はニブラの匠。匠の技をご覧あれ。
目次
匠のスゴ技 金属選別の達人編
硬貨や家電製品、自動車、建築物…、私たちの身の回りでは実にさまざまな金属が使われています。
それら金属は、鉄と、鉄以外の非鉄金属に分類されます。
使い終わった非鉄金属を再び原料として再生するため、スクラップから種類ごとに選別する金属選別の匠を訪ねました。
今回の”匠”
望月哲也
入社16年目の望月さん。入社当初は金属の名前さえ満足にわからない状況で、日々、作業をしながら、1つひとつ金属の違いを覚えていった。現在は難しいアルミの種類の判別もお手の物に。趣味は柔術で、週3回はジムに通いながら、大会での優勝を目指してトレーニングに励んでいる。
工場に持ち込まれるスクラップ
❶❿⓫⓬工業部品の廃棄品 ❷強度などを調べるために使われるアルミ地金のテストピース(試験片) ❸サッシ ❹脚立などの脚の鋳型 ❺❻水道用バルブハンドル ❼装飾品の一部 ❽プレス加工後に発生した残材 ❾ゲームセンターなどのメダル ⓭工場発生の廃棄品 ⓮切断加工後に発生した切り落とし
培ってきた経験で見当を付け 金属の特性を利用して見極める
非鉄金属のスクラップに特化しているリバーの富士非鉄事業所。
ここにはステンレス、アルミ、銅、亜鉛、鉛、マグネシウム、チタンなど、実に多くの種類の金属スクラップが持ち込まれます。
スクラップには、さまざまな金属が混じり合ったものもあり、それらを選別・加工し、リサイクル原料として出荷しています。
金属の選別には、これまで培ってきた経験が欠かせません。今回用意した上記写真の金属でいえば、たとえば水道用バルブハンドルなら鉄❺やアルミ❻、❾のメダルなら真鍮やステンレスが使われていることが多く、その知識で金属を絞れます。また、アルミは、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、シリコンなどが添加され、さまざまなアルミ合金として製品化されます。❸は押し出し加工されたサッシであることから、ほぼ「6063」という材質のアルミ合金で間違いないと判断することができるのです。
大量のスクラップを扱うため、まずはこのような知識と、色などの見た目で判断して、重さ、硬さ、磁性など金属の特性を利用し、あるいは簡易分析器も用いて選別します。
匠の場合は、入社後、山のようなアルミサッシのスクラップに混入している別の金属を取り除くことからスタート。先輩から「これは、アルミじゃない」と指摘されても、最初は違いがわからなかったのだとか。
しかし、毎日続けることで、目が養われました。
「初級はステンレスとアルミの見極め、中級は真鍮と砲金(一般的には銅とスズの合金)の見極め、そして上級はステンレスやアルミの細かい種類の見極めですかね」
と、話す匠。大先輩の“名人”は、削ったときの火花の出方でステンレスの種類が見極められたのだとか。
匠も、「まだまだ、これからです」と、意欲を見せていました。