
自動車リサイクル最前線! 電動ニブラ導入
2023年04月24日

リバーELV川島事業所では、自動車解体時に使用するニブラという重機を電動化しました。
自動車業界は100年に一度の大変革時代を迎えたといわれているなか、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーへの取り組みが急ピッチに進んでいます。
ニブラを電動化した理由や狙いについて、当社のELV事業担当である浅野執行役員と同事業所の山口事業所長にお話をお聞きしました。
目次
自動車解体とニブラについて
使用済自動車を解体するにあたっては、自動車リサイクル法に則った適正な処理が求められます。
まず初めにフロンの回収、エアバッグの適正処理や、ガソリン、オイルなどの液体を抜き出します。
その後、エンジンや足回りなどを取り外した後、ニブラの作業工程に入ります。ニブラの作業では、ワイヤーハーネスやモーターコアといわれるモーター類の回収を主に行います。
これらを手作業で行おうとすると非常に時間がかかってしまいますが、力と精密さの両方を兼ね備えるニブラで行うことで、効率的かつ精緻な資源の回収が可能となります。
電動ニブラについて
重機では軽油などの燃料を使用して動かすモデルが一般的ですが、電動ニブラは電気を使用しています。
電源供給はケーブルを重機に繋げなければなりませんが、当事業所での作業においては大きな移動を伴わないため、電動化が可能でした。
電動化によりニブラ稼働時のCO2排出量をゼロにすることができました。
電動ニブラを導入した理由や狙いについて
浅野自動車統括
(リバー株式会社 執行役員 兼 自動車リサイクルの最高責任者 2023年4月よりTREガラスの取締役を兼務)
世界的な脱炭素の動きの中、自動車メーカーをはじめ、関連会社はカーボンニュートラルに向けた様々な取り組みをしています。
我々、自動車リサイクル業界も自動車業界の重要な産業であると自覚しています。
リバーは自動車解体業、破砕業ともに業界では最大手のポジションにあり、業界の大手として、カーボンニュートラルに向けて積極的な姿勢や行動をしていく必要があります。そのような背景もあり、業界に先駆けて電動化することを決めました。
親会社のTREホールディングスでは、2050年に向けてカーボンニュートラルを目指しており、石油を使用する重機類についても可能なものは電動化していこうという方針です。
リバーグループとして、自動車業界のカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー実現に向けて全力を注いでいくつもりです。
山口事業所長
(2022年7月よりELV川島事業所の所長に就任 現場からの叩き上げ人材)
ELV川島事業所では、毎月多くの自動車関連のお客様が来社され、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといわれる脱炭素と資源循環に関する意見交換を行っています。
川島事業所は自動車解体とシュレッダーといわれる大型破砕機が併設されている全国でも珍しい工場です。
自動車の終わりの場所であると同時に、新しい素材へ生まれ変わる出発の場所でもあります。
いずれ、解体事業者に対してもCO2排出量の少ない工程で解体しているか、という視点が入り、使用済自動車の入り方が変わる未来が来ると感じています。電動ニブラを導入するにはいいタイミングだったと感じています。
今後も自動車解体の各工程を効率化していくことや、より資源循環が進むような取り組みをELV川島事業所では行っていきたいと思っています。
実際に使用してみて
オペレーター高篠さん
以前より静穏性に優れた車内で、乗り心地が良くなったと感じます。
給油の手間がないですし、1日約100L程度の軽油が削減されたことも大きいと感じます。
重機が動ける範囲に制限はありますが、以前の機種よりもパワーがあるように感じますし、今後も丁寧で安全な解体を電動ニブラで行っていきたいと思います。
これからもリバーグループでは、CO2削減のための積極的な投資を進め、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に貢献してまいります。
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