
「廃棄物」ってなんだろう?リユース業者にお金を払う場合、廃棄物になるのか
2017年08月14日

目次
リユースと廃棄物
運賃を払ってリユース業者に使用済品を無償譲渡する場合や、リユースするために修理や部品交換が必要なので、そのための費用をリユース業者に払う場合など、お金を払って渡す場合、それは廃棄物の処理委託になるのでしょうか。
リユース業者から修理後の物を戻してもらうのであれば、修理委託と言えるので簡単です。しかし、リユース業者の責任で販売するのであれば、どうでしょうか。
廃棄物の定義は、廃棄物処理法第2条では
「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、 廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物」
とされており、通知、判例等では、
「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきもの」
という総合判断説が採用されています。
いずれも、「不要」であることが前提です。
普通に考えれば、リユース、つまり再び使用されるものを不要物とは言いません。
もちろん、リユース業者で処分行為がされることもありません。
そう考えると、リユースされるのであれば、廃棄物ではないというべきでしょう。
一般に、説明がしやすいので「お金を払うと廃棄物」と言われていますが、「リユースされるのであれば廃棄物ではない」という理解が広まると、政策課題でもあるリユースがもっと広まるかもしれません。
ただ、注意しなければならないのは、
「リユースとは名ばかりで、実際は処分している」
「一部の部品だけをリユースしている」
ような場合です。
電気機器については、バーゼル法の関係もあり、リユース品かどうかの判断基準として、年式・外観、正常作動性、梱包・積載状態、中古取引の事実関係などが国からも示されています。
今後は雑品スクラップ規制にも関係する可能性がありますので、少なくとも現地確認はしておきたいところですね。
(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)