ecoo online

人・企業・環境をつなぐ、
新しい時代のリサイクルメディア

廃棄物処理法のヒント 法令トピックス

【2024年度版】廃プラスチック回収・リサイクルの現状

share

排出事業者として知っておきたい廃プラスチック(廃プラ)の知識を、最新の知見を含めてご紹介。複雑化する廃プラスチック関連の問題と回収・リサイクルの現状を踏まえて、そもそも何が問題になっているのか、どのような取り組みがなされているのか、また今後の排出事業者に期待されることなどの最新状況をまとめました。(2024年3月更新)

目次

POINT

  • 環境意識の高まりや環境規制の厳格化から、廃プラスチックのリサイクル促進は世界的な課題となっている。
  • 「自己循環型リサイクル」を含む効率的なリサイクルシステム実現のためには 企業、業界を超えた仕組みづくりが必要。

廃プラスチックの基礎知識:廃棄時の分類と注意すべき点など

■廃棄物処理法の「廃プラスチック類」は他の素材を含む

一般に「廃プラスチック(廃プラ)」といえば、廃棄されたプラスチック製品を指します。廃棄物処理法においても「廃プラスチック類」に分類されますが、これはプラスチックのほか、ゴムや合成繊維などの石油化学製品全般を含む区分であることに注意が必要です。ここでは廃プラスチックについて見ていきましょう。

 

一般廃棄物か産業廃棄物かは排出の状況で判断。自治体のルールにも要注意

廃プラスチックは一般廃棄物、産業廃棄物のいずれにも分類されることがあります。その判断基準は「事業活動に伴って生じているか」。ただし、事業所から排出されるペットボトルなどについては自治体によっても判断が異なるため、新たな土地に事業所を移転・開設するさいには適宜確認が必要となります。


廃プラスチックの区分(例)

区分 概要

具体例

産業廃棄物 事業活動に伴って廃棄されるプラスチック プラスチックコンテナ、プラスチックを含むスクラップや包装資材  など
一般廃棄物 事業活動以外から廃棄されるプラスチック。家庭から出るごみなど ビニール袋、発泡スチロール、ペットボトル  など



産業用プラスチックは種類も多彩。リサイクル時には選別が重要に

産業用プラスチックとひと口にいっても、実態は用途に応じてポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などさまざまな種類があります。しかし廃棄する際には種類の区別なくまとめて扱い、破砕、焼却、埋立などの処理を行います。

とはいえ本来はそれぞれに性質が異なる素材ですから、リサイクルの際には用途に応じて選別しなくてはなりません。そのため、ペットボトルなど単一のプラスチック素材でできた製品は排出時に個別回収したり、複数のプラスチック素材からなる製品については、破砕後に素材を選り分けたり(選別)といった工程が必要になります。

 

主なプラスチック素材の種類

・ポリエチレン(PE
・ポリプロピレン(PP
・塩化ビニル樹脂(PVC
・ポリスチレン(PS
・ポリエチレンテレフタート(PET
ABS樹脂
・ウレタン樹脂(PU
・フェノール樹脂(PF)など

廃プラスチックリサイクルの現状:増える排出量とリサイクルの課題

■増大する廃プラスチック廃棄量。2060年には1,000メガトン以上との予測も

軽く丈夫で成形性も高いプラスチック素材は生活や産業のさまざまなシーンで利用されています。経済協力開発機構(OECD)では、世界のプラスチック廃棄量は2019年時点で353,000キロトンとしており、大胆な新政策が取られない場合、2060年には1,014,000キロトンにまで増加すると試算しています

このように使用量・廃棄量が膨大であるという問題に加え、違法投棄や自然災害によってプラスチックが水系に流出し、環境や生きものの健康に害をなす「海洋プラスチック問題」も注目されるなか、プラスチックの使用量、廃棄量を減らすことは世界的な課題となっています。

※OECD発表より弊社換算
https://www.oecd.org/tokyo/newsroom/global-plastic-waste-set-to-almost-triple-by-2060-japanese-version.htm


■3つのリサイクル手法で廃プラスチックを素材・燃料化

廃プラスチックのリサイクルでは、主にマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの3つのアプローチが取られています。


マテリアルリサイクル

廃プラスチックを種類ごとに選別し、不純物を除去して粉砕・洗浄。そのままの状態(フレーク)、あるいはそれをさらに粒状に成型した状態(ペレット)で、再度製品に使用する手法です。

●マテリアルリサイクルのイメージ

rever_ecoo_img01.png


●マテリアルリサイクルの主なメリット・デメリット・リサイクル先

種類 概要
主なメリット

●素材をプラスチックとして再び利用できる
●ケミカルやサーマルに比べ、リサイクル工程におけるCO2排出量を少なくできる など

主なデメリット
(課題)

繰り返しリサイクルする(加熱する)ことで素材が劣化する など

主なリサイクル先

(最終用途)

プラスチック製品
作業着、ユニフォーム、シャツ、トレー、文具、洗剤用ボトル、飲料用ボトル、パレット、コンテナ、ベンチ、フェンス、遊具、建設資材、公園・道路・鉄道・農林水産関係の用品や施設、自動車部品 など


ケミカルリサイクル

廃プラスチックを化学処理で分解、再利用する方法。プラスチックそのままではなく、化学原料の状態に戻し、原料や燃料として利用します。

●ケミカルリサイクルのイメージ
rever_ecoo_img02.png


●ケミカルリサイクルの主なメリット・デメリット・リサイクル先

主なメリット

●合成の途中段階に戻すため、不純物を省きやすい
●マテリアルリサイクルで劣化した素材も再活用できる など

主なデメリット
(課題)

高熱での処理などを行うため、エネルギー消費量が大きい など

主なリサイクル先

(最終用途)

原料・モノマー
ボトル(ボトル to ボトル=ボトルからボトルへの再生)

高炉原料
製鉄所で使用する還元剤

コークス炉化学原料
コークス、炭化水素油、コークス炉ガス

ガス
水素、メタノール、アンモニア、酢酸などの化学工業原料、燃料

生成油、燃料

注:ガス化・油化は、燃料として再利用する場合は「サーマルリサイクル」に分類されることもある


サーマルリサイクル

廃プラスチックをそのまま焼却(ごみ焼却発電など)、あるいは固形燃料(RPFRDF)に加工して焼却し、エネルギー源として活用する手法です。

●サーマルリサイクルのイメージ
rever_ecoo_img03.png


●サーマルリサイクルの主なメリット・デメリット・リサイクル先

種類 概要
主なメリット

マテリアル・ケミカルリサイクルが困難な状態のプラスチック素材を処理できる など

主なデメリット
(課題)

他のプラスチックリサイクル手法と比較してCO2排出量が大きい
(石炭比では同じ熱量回収時に約33%の排出低減効果)

主なリサイクル先

(最終用途)

出典:以下のページ内容を参考に当社作成

環境省 用語解説
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/junkan/h17/html/jh0504000000.html

(一社)プラスチック循環利用協会「プラスチックリサイクルの基礎知識」
https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf1.pdf

NEDO「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」基本計画
https://www.nedo.go.jp/content/100919126.pdf

(株)三菱総合研究所「プラスチック資源循環の高度化と拡大に向けた方策」
https://www.mri.co.jp/knowledge/mreview/2023032.html

一般社団法人RPF工業会「RPF使用による環境負荷低減効果」
https://www.jrpf.gr.jp/rpf-1/rpf-7


■日本の主流はサーマルリサイクル。気候変動対応などに向けた他の手法への切り替えが課題に

日本国内のプラスチックリサイクルにおいては、現在、大きく2つの課題があります。

日本国内のプラスチックリサイクルの課題
(1)サーマルリサイクル以外のプラスチックリサイクル率が低い(25%程度)
(2)各国の関連規制強化により、廃プラスチックの輸出が困難となっている
(3)リサイクル材の需要拡大と価値向上

課題(1) サーマルリサイクル以外のプラスチックリサイクル率が低い(25%程度)


日本国内で廃棄されるプラスチックは年間で800万トン以上にのぼります。2022年の有効利用率は87%とされていますが、種類に着目すると、半分以上はサーマルリサイクルされており、ケミカルリサイクル・マテリアルリサイクルされる率はプラスチック総排出量の25%程度にとどまっています。一方で近年は、気候変動への対処という観点から、CO2排出量の削減も世界的に求められています。プラスチックを燃やす必要がある現状のサーマルリサイクルは省CO2化には適していないため、今後はマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの利用拡大が不可欠なのです。

しかしながら、ヨーロッパ諸国と比較すると、オランダやノルウェーなどではエネルギー利用以外でのプラスチックリサイクル率が50%を超えており、それ以外の国でも30%を超えているところが少なくありません。日本の取り組みはまだまだ追い付いていないのが実状です。

▼国内プラスチックリサイクル実績の種類別内訳(2022年度)※1

rever_ecoo_img04.png


▼日本国内のリサイクル実績※2                        
                                               (単位:万t)
rever_ecoo_img07.jpg

注)マテリアルリサイクル量:再生利用量
ケミカルリサイクル量:高炉・コークス炉原料、ガス化(原料利用)、油化利用量
サーマルリサイクル量:ガス化(燃料利用)、固形燃料/セメント原・燃料、発電焼却、熱利用焼却利用量
有効利用率(%)=(有効利用量/廃プラ総排出量)×100

▼世界のプラスチック排出実績(2021年)※3

rever_ecoo_img05.png




▼世界のプラスチックリサイクル量(2020年)※4

rever_ecoo_img06.png

出典
※1※2:(一社)プラスチック循環利用協会「2022年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」より当社作成
https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf2.pdf

※3※4:Plastics Europe「Plastics – the Facts 2022」より当社作成

https://plasticseurope.org/knowledge-hub/plastics-the-facts-2022

課題(2)各国の関連規制強化により、廃プラスチックの輸出が困難となっている

プラスチックに関する各国の輸入規制の厳格化も課題となっています。日本で生じた廃プラスチックの一部は、これまで資源として中国やASEAN諸国などに輸出されてきましたが、輸出されたプラスチックごみ(プラスチックくず)が必ずしも資源として活用されず、逆に不法投棄などにつながるケースが指摘されてきました。有害な廃棄物の国境を超えた移動を規制する国際条約「バーゼル条約」においても、2021年の改正から、汚れたプラスチックごみの輸出には相手国の同意が必要であるとしています。

この流れを受けて、中国・ASEAN諸国においても2017年以降続々と廃プラスチックの輸入規制を厳格化してきました。部分的あるいは全面的な輸入禁止を発表している国もあります。こうした変化からも、日本国内でプラスチックを効率的にリサイクルし、資源として循環させていくことがますます重要となっているのです。

課題(3)リサイクル材の需要拡大と価値向上

プラスチックに限らず、リサイクル材の需要の拡大と価値向上は大きな課題です。現状のマテリアルリサイクル先は主に物流用パレットや擬木など限られた商品となっています。これらの商品は売り先としての需要が弱く、低価格なのが実情です。また、リサイクルするためには異物除去や選別などの前処理工程が必要となり、そこから製造工程に入るため、バージン材よりも割高になるケースも珍しくありません。

これらの課題を解決するうえでは、品質、量、コストのバランスが取れたリサイクルモデルが必要です。リサイクル材を積極的に使用するような動きや、リサイクル時のCO2排出量低減などの付加価値をより高める取り組みがなければ、循環の絵は描くことはできません。

こうした状況下で欧州では、20237月にEU指令「自動車の循環設計とELV管理規則」(案)を公表しました。そのなかで、新車の製造に使用されるプラスチックの25%にリサイクル材を使用することを義務付け、さらにそのうち25%は使用済み自動車由来のプラスチック材を使用することを明記しています。この規則案は2035年にかけて段階的に導入される予定で、リサイクル材の需要喚起に加え、リサイクル材使用に際しての技術開発や価値向上も期待されます。これにとどまらず、リサイクル材の使用義務に関する規制や環境法の制定などの動きは今後、各国で加速していくとみられます。

日本においても、自動車リサイクル法の施策として「資源回収インセンティブ制度」が2026年にスタートする予定となっています。本制度は、プラスチックとガラスのリサイクルに関してインセンティブを付与し、自動車の資源循環を促すものです。

廃プラスチックリサイクル拡大に向けて:各企業の取り組み 

■リサイクルの拡大は、企業のサステナビリティ戦略上も必須

廃プラスチックリサイクルへの本格的な取り組みは、企業の事業活動においてもいくつかのメリットがあると言われています。

法規制への対応

日本国内では2022年に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック新法)」が施行されました。同法では事業者に対して、プラスチック資源循環を促進するため、製品の設計・使用の合理化による廃棄物の排出抑制や、自ら製造・販売したプラスチック製品の自主回収、再資源化に取り組むよう求めています。

また、多量排出事業者については、取り組みが著しく不十分な場合に主務大臣から勧告・公表・命令等を行うことがあり、違反した場合は50万円以下の罰金が科されます。持続社会への貢献という観点のみならず、コンプライアンス遵守の観点からも、廃プラスチックリサイクルへの取り組みが欠かせなくなっていると言えます。

各種サステナビリティインデックスなどへの対応

サステナビリティの観点に基づく外部の評価機関やガイドラインの多くが、廃棄物の適正な処理、資源循環への取り組みを評価の項目に含めています。特に海洋プラスチック、マイクロプラスチックなどの問題を受けて廃プラスチックリサイクルへの注目度は世界的に高く、これらにしっかり対応していることを発信できれば、評価向上につながります。

国内・海外ステークホルダーへのアピール

企業のサステナビリティに関する取り組み状況は、サステナビリティ投資を行う株主・投資家はもちろん、自らも環境負荷低減に取り組む顧客やサプライヤーなどの取引先にとっても重要な評価指標となっています。また近年では、従業員や求職者が優良企業を見定める基準の一つにもなっています。

■各企業の取り組み事例

こうした背景もあり、プラスチック製品を製造・使用する企業などを中心に、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの拡大に向けた取り組みが進んでいます。いくつかの例をご紹介します。

本田技研工業株式会社、三菱ケミカル株式会社、北海道自動車処理協同組合:
アクリル樹脂の水平リサイクル実証実験

ホンダ(株)は三菱ケミカル(株)、北海道自動車処理協同組合(北自協)と共同で、使用済み自動車由来のアクリル樹脂(PMMA)の水平リサイクルについての実証実験を行いました。北自協が材料を回収・粉砕、三菱ケミカルが材料を原料分子に戻してそこから高分子化合物を製造するプロセスを検証し、ホンダが全体の管理や輸送を担いました。

参考:本田技研工業(株)リリースページ
https://global.honda/jp/news/2021/c210524.html

日本マクドナルド株式会社:
おもちゃリサイクル

日本マクドナルド(株)では、自社メニュー「ハッピーセット」のおまけで提供されるおもちゃを店舗内の専用ボックスで回収し、店舗内で使用するトレーなどにマテリアルリサイクルする取り組みを続けています。子どもたちにもリサイクルの流れを理解しやすいことから、親子でリサイクルについて学んでもらう機会にもなると考えています。

日本マクドナルド(株)「おもちゃリサイクル」ページhttps://www.mcdonalds.co.jp/sustainability/environment/toy_recycling/

住友化学株式会社、リバー:
マテリアルリサイクルの事業化(使用済み自動車のプラスチック資源循環)に向けた業務提携

年間約24万台の使用済み自動車の破砕・選別を行っているリバーが、プラスチック原料となりうる素材を住友化学(株)に提供。同社がこれを活用し、自動車メーカーでの使用に耐える高品質な再生プラスチックを効率的に商業生産するプロセスの確立を目指しています。将来的には両社によるジョイントベンチャーの設立も検討しています。

参考:住友化学(株) リリースページ
https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20230426.html

“自己循環型リサイクル”の実現に向けて:リバーの提案

廃プラスチックのリサイクル向上に向けて“自己循環型リサイクル”が注目

廃プラスチックのリサイクル率向上に向けた取り組みとして注目を集めているのが“自己循環型リサイクル”です。これは「事業者が自社製品にプラスチックを使用した後、廃棄された製品を自ら回収、処理し、再び自社製品に活用する」というリサイクル形式を指しています。新たなプラスチック素材の使用量を縮小し、廃プラスチックの廃棄量を減らせると期待されている一方で、完全な自己循環型リサイクルの成立には課題もあります。

循環型リサイクル.png
廃プラスチックの回収率向上や選別技術などが課題に

事業者が廃プラスチックのリサイクル、とりわけ自己循環型リサイクルに挑むにあたっては、次のような課題があります。


・量の問題

廃プラスチックに限らず、さまざまな廃棄物の回収・選別作業は、常に一定量の廃棄物を確保できなければ効率が悪くなります。

しかし特定の種類の廃棄物に着目すると、排出量が季節要因などによって変動することも多く、これを効率的に回収するためには、排出量によって回収車両や回収回数を変動させなければなりません。特にプラスチックは「軽い」という特性があります。資源物は通常、体積ではなく重量ベースで量を判断されるため、この特性は処理や有価物化などにあたって不利に働きます。こうしたなかで、いかに回収の効率化を図り、コストを減らせるかが最大の課題になります。

逆に回収量が安定すれば、回収効率が高められることはもちろん、選別施設も安定稼働させることができ、コストを抑えた運用が可能となります。個社ごとの単品回収が難しい場合は他の廃棄物と抱き合わせたり、同業他社との共同回収も検討するなど、「量の問題」をいかに解決するかがリサイクル実現のカギとなっています。

量の問題.png
プラスチックの回収量は
季節要因などで変動


・品質の問題

単一素材のプラスチックを集めてリサイクルする場合は、品質面は安定します。しかし、多くの商品では金属などプラスチック以外の素材が複合的に使われています。また、違う種類のプラスチックが同時に使用されていることもあります。

これらの素材をしっかりと分離しなければ、再生材の品質を確保できません。分離しやすい設計にしたり、可能な限り単一素材で製造したりといったアプローチも必要になります。

また、同じプラスチックを何度もリサイクルした場合、特にマテリアルリサイクルでは劣化現象が起こります。すなわち、同じ素材でありながら、バージン材よりも脆くなってしまうのです。継続的な資源循環を描くためにもリサイクル材とバージン材の配合などの研究も必要です。

品質の問題.png
混ざり合った素材を分離しなければ
リサイクルは困難



リバーの提案:廃プラスチックリサイクルの未来構想~リサイクルスキームの確立へ~

廃プラスチックリサイクルの課題解決に向けて、それではどのようなアプローチが考えられるでしょうか。いくつかの例を考えてみましょう。

例えば、設計開発段階から回収・再利用のしやすさに配慮する

プラスチック素材のリサイクルにあたり、すでに各業界で進められている取り組みとしては、プラスチックと他の素材、またはプラスチック同士が分別しやすいよう、設計上も配慮しておくことが挙げられます。塗料などを使用しなくていい製品では、できる限り避けるといった工夫も考えられます。

これに加えて、予め回収ルートを設定しやすい製品から取り組み始めるのも一つの方法です。例えば、ガソリンスタンドなど限られた場所で使用される製品、自社のシェアが大きく他社の品が混入しにくい製品などは、定期的な回収サービスや回収BOXを通じて比較的容易に回収できます。

  • 特定の場所で使用される製品などは、回収ルートを設定しやすい

回収ルート.png

しかし、こうした取り組みにはおのずと限界があります。顧客・消費者が多岐にわたっていて効率的な回収ができなかったり、一定期間に十分な量が回収できなかったりと、業種・業態や製品の性質から企業によって「取り組みやすさ」に差が生じるためです。

例えば、企業を超えた廃プラスチック回収~リサイクルのしくみをつくる

では、企業ごとの「取り組みやすさ」の差を埋めるためにはどうしたらよいのでしょうか。一例としては、各事業者がアクセス可能な「廃プラスチックの回収ターミナル」の仕組みをつくることが考えられます。参加事業者が回収した廃プラスチックを集約・処理したのちに、各事業者に一定量を振り分けるような仕組みがあれば、自己循環リサイクルの大きな課題である回収量・時期の不安定さをある程度解決できます。

  • 事業者横断での廃プラスチックターミナル構想

廃プラスチックターミナル構想.png


これに限らず、廃プラスチック自己循環リサイクルを社会全体で実現していくためには、業種・業態を超えて各企業が協力していくことが不可欠です。現在はまだ個社の努力の範囲内に収まっていますが、今後は自治体なども巻き込んで、活動の輪を広げていくことが重要になると見られます。

まとめ

環境規制の強化などを背景に、国内では廃プラスチックの量が今後ますます増加し、廃プラスチックのマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルへの要請も強くなっていくとみられます。その一方で、効率的な回収や選別、リサイクルの仕組みづくりには大きな課題が残ります。今後は業種・業態を超えて、社会全体で廃プラスチックリサイクルを最適化する仕組みが必要になると考えられます。

わたしたちリバーグループはお客様の廃プラスチックリサイクルの効率化、自己循環型リサイクルの実現に向けて、ともに最適の手段を考えていきます。ぜひ一度ご相談ください。




bg_pagettl_plastic.pngプラスチックリサイクルのサービス紹介ページです。自動車や家電で培ったノウハウで、プラスチックの自主回収・再資源化のスキーム構築・運営をサポートしています。

ecoo_banner01.jpg