
蛍光灯を処理するときに押さえるべきポイントとは?
2018年08月27日

目次
蛍光灯廃棄には厳しい規定が適用されています
廃蛍光ランプ(蛍光灯)には微量の水銀が含まれており、水銀使用製品産業廃棄物に該当します。
そのため保管、運搬、処分方法について通常の産業廃棄物より厳しい規定が適用されています。
水銀廃棄物の多くは北海道にある野村興産で処理・リサイクルされます。
野村興産では、蛍光灯を破砕し、口金のアルミ(アルミ製品の原料となる)、ガラス(蛍光灯ガラス、グラスウール、セメント原料などになる)、蛍光粉(焙焼・気化後に水銀を回収)などを回収します。
今後は回収した水銀の用途がほとんどなくなるという問題はありますが、現状はほぼ100%リサイクルされていると言っていいでしょう。詳細は下記の資料をご覧ください。
https://www.nomurakohsan.co.jp/business/recycle
しかし、場所は北海道ですので、運搬効率を考えなければなりません。蛍光灯の比重は、そのままだと概ね1、破砕すると5程度になるでしょうか。
そこで、多くの中間処理業者では蛍光灯の破砕をしたうえで野村興産に委託しています。
例えば、リバーグループのメジャーヴィーナス・ジャパンでも東京都内にある工場で蛍光灯の破砕を行っておりますが、ドラム缶には破砕後の蛍光灯600本分以上を入れることができます。
(なお、破砕する際には「密閉された設備内で行う、設備や施設からの排気は集じん機や活性炭フィルターで処理するなど、製品中に含まれる水銀が大気中に飛散しないようにする」こととされており、この基準に沿った破砕機を使用しています。)
蛍光灯破砕機
破砕後の蛍光灯のJR貨物コンテナへの搬入作業
JR貨物のコンテナ
許可上の処理能力は40本/分(実務上は30本/分ほど)のようですが、ガラスの破砕をするということでかなりの騒音が発生します。騒音と飛散防止のために、破砕は室内で出入口を閉めた状態で行い、作業員はマスクと耳栓をつけています。
そのため、蛍光灯の処理委託をするにあたっては、中間処理も忘れずに見てください。破砕処理の場合は、破砕機の基準を満たしているかだけでなく、上記のように労働安全、作業環境に配慮しているかなども確認のポイントです。微量とはいえ水銀ですから相応の対応をすべきです。
一方、野村興産は既に多くの方が現地確認をしていますので、信頼できるのではないでしょうか。
また、東京から旭川までJR貨物を使いることでも、運搬コストとCO2の排出を抑制しています。この場合のマニフェストがどうなっているかも、見せてもらうと面白いかもしれません。
(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)