
冬の定番「カイロ」でも鉄は大活躍!|カイロが温かくなる仕組みと歴史をひも解く。
2020年02月03日

資源リサイクル・産業廃棄物処理業のスズトクの若手営業担当のコラムです!! 入社以来スズトク一筋の社員の、生の声をお届けします。
目次
鉄くず小僧です!
今年も、寒い季節に入っておりますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?こんな寒い季節と言えば、皆様は、何を思い浮かべるでしょうか?
鍋や温泉、ストーブ、マフラー様々出て来る事でしょう。いずれにしても、やはり寒さ対策となることが思い浮かぶ方が、多いかと思いますが、そんな、寒さ対策、冬の必需品の中に、鉄に関係するものがあるんです。
それが、こちらの、「使い捨てカイロ」。
私は、近年、使い捨てカイロを使う事が、めっきり減りましたが、多くの方が、今季も使っているのではないでしょうか?
今回は、知っているようで、意外と知らない、使い捨てカイロと鉄の関係。使い捨てカイロが発熱する仕組みや、成分の役割はなどを調べてみました!
使い捨てカイロが発熱する仕組み
鉄を濡れたままに放置しておくとサビが出るのは、日常、良く目にすることですが、これは、鉄の酸化、つまり鉄が空気中の酸素と反応して、酸化鉄になる、化学反応です 。
この化学反応で、鉄が錆びる時に、熱が出ているのですが、正直、全く気付きません。普通はゆっくり反応が進むので、熱として感じる事はないのですが、この化学反応を有効活用したものが、使い捨てカイロになります。
カイロの中には、鉄粉や水、活性炭、塩類、保水材などが入っており、外袋を開けると、カイロを包む袋の小さな穴から空気が入り、中の鉄粉の酸化が始まり、熱を発生させるという仕組みです。
水や塩は酸化のスピードを速め、活性炭は空気を多く取り込む事によって、反応を持続させる役目を果たしています。その為、使い捨てカイロは袋の中で、一気に酸化させる為、温かいと感じる事が出来ます。
使い捨てカイロの歴史
この、使い捨てカイロ、実は、日本のメーカーが40年以上前に開発をした、20世紀の大発明品だったそうです。もちろん、40年前なんて、私、鉄くず小僧、生まれておりません。
カイロの歴史を遡ると、江戸時代に石を温めて懐にいれた「温石(おんじゃく)」だったといわれているそうです。その後、明治時代には、麻殻や炭粉を、袋に詰めたり、練ったりし、容器の中で燃やす「懐炉灰(かいろはい)」となり、大正~昭和時代になると、原油から分留精製した揮発性の高い可燃性の液体「ベンジン」を気化させて燃やす「ベンジンカイロ」が使われる様になりました。
そして、使い捨てカイロが登場したのは1975年の事。アメリカ陸軍が使用していたフットウォーマーを参考に、旭化成工業(現:旭化成)が開発・商品化し、鍼灸院などで販売したそうです。それを、1978年、ロッテ電子工業(現:ロッテ健康産業)が日本純粋素(現:パイオニクス)と共同開発し、「ホカロン」の商品名で全国販売がスタート。一気に普及し、今や海外でも人気ロングセラー商品になっていきました。
やはり鉄は、私達の身近のあらゆる所に使われています。また、日常を過ごしていても、なかなか価値が生まれない、「鉄の粉」を、人の為に使うという先人の発想が素晴らしいなと思いつつ、やはり、廃棄物といわれる物にも、何かしら人への影響が有り、地球にとって資源である事を再認識出来ました。