

事故車の廃車処分ってどうすればいいの?お金や手続きについて解説していきます
2021年08月20日

突然の事故で車が破損してしまい、廃車しなければならないが、何をどうしていいかわからず困っている方も多いかと思います。
事故車も程度によって修理して使用し続ける選択肢もありますが、骨組みなど重要なパーツが破損してしまうと、すぐに故障したり、安全な運転に支障が出てしまう場合があります。
この記事では、事故車を廃車する場合の手続きや心配なお金回りのお話を中心に解説していきます。
目次
自動車にはどんな処分方法があるの?
さまざまな事情から自動車を手放したいとき、主な選択肢は「譲渡」「売却」「廃車」の3つです。
それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。
自動車の主な処分方法とメリット・デメリット
方法 | メリット | デメリット |
譲渡 |
まだ動く自動車を、必要な人に確実に譲ることができる |
●名義・任意保険の変更手続きが必要 ●譲渡に際して金銭条件や注意事項などをしっかり提示しないとトラブルのもとにも |
売却 ディーラーを通じて下取りに出したり、中古車買取業者に依頼したりして売却する |
●業者やディーラーに必要な手続きを任せられることが多い |
●修復歴がある「事故車」の場合、売却査定額が大きく下がる可能性がある |
廃車 法で定められた廃車手続き(抹消登録)を行い、自動車を解体する |
●廃車専門業者に依頼すれば必要な手続きを任せられ、お金に換えられる |
●廃車手続きを自力で行う場合、必要書類などを自分で用意するほか、解体業者やレッカー車を個別に手配する必要がある |
多くの場合、まだ動く自動車を手放したいときは譲渡や売却が選択肢となります。自動車自体の損傷が激しい場合は、修理するか廃車にするかの選択も必要になります。
走れない状態であっても、所有し続けるだけで税金(自動車税)がかかるのが自動車です。早期にいずれかの対応を行うほうが、余分なお金も掛かりません。
事故車の定義は?事故車は廃車にするしかない?
処分を検討する場合に問題となるのが「事故車か否か」。注意したいのは、中古車買取などの業界では、「事故車=交通事故で損傷した自動車」とは限らないことです。
「骨組みにあたる重要なパーツが損傷したことがあり、交換や修理を行っていること」が事故車の条件となります。
以下、詳しく見ていきましょう。
ポイント
事故車とは、「骨格(フレーム)部分の修復歴のある自動車」をさす
骨格(フレーム)にあたるパーツと修復歴の判断基準
(参考:一般財団法人 日本自動車査定協会「中古自動車査定基準」)
部位 | 条件 | |||
交換歴がある | 曲がりや凹み、その修理跡がある | 亀裂がある | その他 | |
クロスメンバー (フロント、リヤ) |
● | ● | ● | |
サイドメンバー (フロント、リヤ) |
● | ● | ● | |
インサイドパネル(フロント)、ダッシュパネル | ● |
● |
||
ピラー(フロント、 センター、リヤ) |
● | ● 外部または外板を介して波及した凹みやその修理跡 |
● スポット打ち直し |
|
ルーフ | ● | ● ピラーから波及した凹みやその修理跡 |
● 周囲のインナー部の凹み、曲がりやその修理跡 |
|
センターフロアパネル、 フロアサイドメンバー |
● | ● 外部または外板を介したパネルの凹み、メンバーの曲がりやその修理跡 |
● | ● パネル接合部のはがれまたは修理跡 |
リヤフロア |
● | ● 外部または外板を介して波及した凹みやその修理跡 |
● | ● パネル接合部のはがれまたは修理跡 |
現在は損傷していない自動車でも、過去にフレームの修理を行っていた場合は事故車と見なされる可能性があります。損傷の理由も事故とは限りません(たとえば、大雪でガレージの屋根がつぶれ、自動車が損傷してしまうこともあるでしょう)。譲渡された自動車などでは、その点を確認しておくと判断材料となります。
現在損傷している自動車が手元にある場合は、損傷の位置と程度を確認し、修理の費用見積をとったうえで修理するか手放すかを検討するとよいでしょう。ただし、将来的にその自動車の売却を考える場合、修復歴が査定額に影響することを考慮する必要があります。また安全面から見ても、骨組みなど重要なパーツが一度破損してしまった事故車は、ふたたび故障しやすくなる可能性があります。
廃車って何をするの?
廃車というと、「自動車を廃棄すること」と考えている人も多いのではないでしょうか。実際には、廃車とは「公道を走れる自動車としての登録を抹消すること」を指しています。
「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類があり、前者を選んだ場合は、その自動車は適切な方法で解体(スクラップ)することが前提になります。
ポイント
●廃車とは、公道を走れる自動車としての登録を抹消すること
●普通車であれば「運輸支局」、軽自動車であれば「軽自動車検査協会」の登録となる
●「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類がある
「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の違い
永久抹消登録 |
●古くなって動かないなど、二度とその自動車を使用しない場合に行う |
一時抹消登録 |
●長期の入院や海外出張など、長期に自動車を使用しなくなる場合に行う |
廃車までの流れや手続きが知りたい
では、具体的には何の手続きを、どのような順番で行っていくことになるのでしょうか。
永久抹消登録の場合と一時抹消登録の場合で流れは異なります。順を追って見ていきましょう。
永久抹消登録の手続き
(1)自動車を輸送、解体
解体業者のもとに自動車をレッカー輸送。解体後、手続きに必要な「解体報告記録がされた日」「移動報告番号」を教えてもらいます。また、ナンバープレートは持ち帰ります。
(2)書類を準備
状況に応じて、以下の書類を準備します。(手続きには印鑑も必要となります)
●所有者の印鑑証明書 ※発行日から3カ月以内のもの
●自動車検査証(車検証)
●ナンバープレート ※前後2枚
●申請書 ※解体報告記録がなされた日、移動報告番号の記載が必要
●(車検証と印鑑証明書の氏名・住所が一致しないとき)住民票など変更の経緯がわかる書類
●(事業用ナンバーの自動車やレンタカーのとき)事業用自動車等連絡書
●(代行者に委託する場合)所有者からの委任状 ※実印の押印が必要
●(代行者に委託する場合)所有者からの譲渡証明書 ※実印の押印が必要
(3)管轄機関で手続きを実施
その自動車を使用している本拠地を管轄している運輸局、あるいは軽自動車検査協会の支局等に向かい、手続きを行います。
●ナンバープレート返却
●書類提出
●還付金手続き
・自動車税については、抹消登録を行えば自動的に手続きが完了します。
・自動車重量税については抹消登録とあわせて「還付申請書」に必要事項を記載、運輸支局等の窓口に提出する必要があります。
※還付金については、後日郵送される「通知書」を用いて金融機関で還付を受ける必要があります。
一時抹消登録の手続き
(1)自動車のナンバープレートを取り外し
前後2枚のプレートが申請に必要となります。
(2)書類を準備
状況に応じて、以下の書類を準備します。(手続きには印鑑も必要となります)
【普通車】
●所有者の印鑑証明書 ※発行日から3カ月以内のもの
●自動車検査証(車検証)
●ナンバープレート ※前後2枚
●手数料印紙(検査登録印紙)350円
●(車検証と印鑑証明書の氏名・住所が一致しないとき)住民票など変更の経緯がわかる書類
●(事業用ナンバーの自動車やレンタカーのとき)事業用自動車等連絡書
●(代行者に委託する場合)所有者からの委任状 ※実印の押印が必要
【軽自動車】
●自動車検査証(車検証)
●ナンバープレート ※前後2枚
●申請書依頼書(認印可)
(3)管轄機関で手続きを実施
その自動車を使用している本拠地を管轄している運輸局、あるいは軽自動車検査協会の支局等に向かい、手続きを行います。
●ナンバープレート返却
●書類提出
※自動車税の還付金手続きについては、抹消登録を行えば自動的に手続きが完了します。後日郵送される「通知書」を用いて金融機関で還付を受ける必要があります。
廃車(永久抹消登録)にかかる費用はどのくらい? 還付金は?
一時抹消登録であれば原則として手数料(350円)以外はかかりませんが、自動車の解体も必要となる永久抹消登録は状況が異なります。どのくらいお金がかかるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
結論から言えば、自分で廃車するか、どこかに廃車を依頼するかによって大きく異なります。想定される主な費用と、方法ごとの費用感を見ていきましょう。
ポイント
●手続きの手間を省きたいなら、業者に依頼がオススメ
●依頼する場合ディーラーか廃車専門業者が主な選択肢
●一般的には、費用を抑えられるのは、廃車専門業者の場合
廃車(永久抹消登録)時にかかる主な費用
費用項目 | 自分で手続き | ディーラーに依頼 | 廃車専門業者に依頼(リバーの場合) |
運搬費用(レッカー代など) |
1~3万円 |
1~3万円 |
無料 |
解体費用 |
2~3万円 |
2~3万円 |
無料 |
引き取り・代行手数料 |
― |
1~2万円 |
無料 |
リサイクル料金 |
軽自動車 約8,000円 |
廃車(永久抹消登録)時に還付される税金など
種類 | 概要 |
自動車税 |
廃車の翌月~翌年3月までの金額が月割りで還付 |
自動車重量税 |
車検の残存期間ぶんについて還付 |
自賠責保険 |
有効期間が1カ月以上ある場合、解約申請後に還付 |
自分で手続きをすれば代行手数料などは抑えられますが、運搬業者や解体業者を個別に手配する必要があり、費用も手間もかかります。廃車専門業者に依頼すれば、ある程度手間を省けることはもちろん、申請書など一部書類も不要となることがあります。
多くの方は購入したディ―ラーに廃車を相談するかと思いますが、多い場合で数万円のお金がかかることもあるのが実状です。というのも、ディーラーは車を売ったり、修理したりすることが専業。永久抹消登録に伴う運搬や解体についてはその分の経費がかかるのです。
一方、廃車を専門とする廃車専門業者は、輸送用のレッカー車両や解体工場を自社で持っているところも多く、経費を節減できます。多くは部品や金属類などの販売ルートも有していることから、損傷が大きい自動車を買い取っても利益を上げられるのです。買取り金額は車種によって違いますが、数千~数万円程度が多い傾向です。
少しでもお金を回収したいのであれば、事故車は廃車専門業者に依頼するのがベストな選択と言えます。
廃車専門業者が事故車を買取りできる理由は?
ポイント
●解体した車両からとれる鉄スクラップを売却できる
●解体過程で外装品・内装品(パーツ)を取り外し、中古自動車パーツとして販売できる
多くの廃車専門業者は、自動車を解体することで発生する鉄スクラップや、外装品・内装品などの中古自動車パーツの販売ルートを持っています。これを販売することで費用を回収できるため、事故車であっても買い取れることが多いのです。
ただし、鉄スクラップをはじめとする資源の相場には波があるため、価格は流動的。そのため、いつでも買取ができるとは限らず、買取価格にも若干の変動があります。
廃車専門業者でも買取りができない自動車はある?
ポイント
トラック、レッカー車に載せられない状態の自動車は買取りが不可能
廃車専門業者でも買取りができないのは、以下のような自動車です。
●事故車両にトラック、レッカー車が隣接できない
●すべての車輪が全く回らない
●長年放置され、パーツ等の価値がない
すべての車輪が回らない自動車、またトラックやレッカー車が隣接できない状態の自動車は、その場から動かすことができません。
特殊な重機などを使用する必要があり、買取することが難しくなります。
また、長年放置されてしまい、解体してもスクラップやパーツとして販売する価値がない場合は、廃車専門業者であっても利益を得ることが難しいため、買取りを断る可能性があります。
依頼するならどんな廃車専門業者がいいの?
廃車専門業者といっても規模や対応は業者によってまちまちです。「引取り業者」に区分される業者数は全国3万社あり、その中から業者を選ぶことは簡単ではありません。
ポイントとしては、回収からリサイクルまですべての工程に対応してくれることや、販売ルートの広さ、ちゃんと廃棄やリサイクルに関する法律を把握しているか、などがあります。
ポイント
●自社で引取りから解体・処分までを行えること
●多様なパーツやスクラップを販売できるルートを持っていること
●廃棄物関連の法律に則って対応してくれること(コンプライアンス)
たとえば、回収はできるが解体はできない業者に依頼した場合、ディーラーに依頼する際と同様に余分な費用が掛かる可能性があります。また、鉄スクラップしか販売ルートがない業者では、まだ使える部品があっても廃棄してしまうかもしれません。業者のほうで利益を出すことが難しいと、買取りの価格も低く見積もることになります。
リバー(株)の強み
2005年に施行された自動車リサイクル法では、自動車メーカーに対し、自ら製造した自動車の解体・破砕後に残る老廃物(シュレッダーダスト)を引き取り、リサイクルするよう促しています。リバー(株)ではこの法律に基づき、多くのメーカーの依頼を受けて、廃車される自動車の引取り~解体、破砕までを担ってきました。現在、関東から排出される廃車の実に1/3はリバーが破砕処理しており、事故車の処理実績も多数有しています。
リサイクルを前提に、その前段階となる「引取り」「解体」「パーツ取り」「破砕」の全工程を担えることがリバーの最大の特徴です。解体実績が多いことから、鉄スクラップの取扱量も多く、販売ルートも多数有しています。また、売却可能な内装品・外装品を検品・清掃のうえ中古パーツとして販売しています。
余計な中間マージンやコストを取られず、あらゆるパーツやスクラップを利益に変えることができるため、よりよい買取り条件をご提示できます。さらに、この業界では数少ない上場企業グループであり、透明性・安心感もあります。
まとめ
事故車の廃車でお困りの方は、ディーラーではなく直接廃車専門業者に依頼するのがおすすめです。業者の選定でお困りであれば、リバーに是非ご相談ください。
回収エリアは、「東京都」「埼玉県」「千葉県」を中心とする関東圏になります。
廃車のお値段が気になる方は、サービスページの廃車買取りフォームよりご依頼ください。