
2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくるって本当?
2017年08月01日

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『太陽電池パネル』について考えてみた。
2012年に開始した固定価格買取制度により、太陽電池パネルは急速に普及しました。
寿命は25年前後だろうと言われているため、大量廃棄はまだまだ先ですが、現状でも故障や製造工程からの廃棄が少しあります。
今のところ、パネルの枠に使われているアルミはリサイクルされていますが、問題はパネルそのものです。多くの場合、破砕→埋立されています。
法改正論議では、パネルが安定型で埋立処理されているところ、鉛等の有害物質が含有しているため管理型にして、なおかつリサイクルを義務付ける方向で検討されています。
パネルの主な組成は、ガラス、EVA樹脂、シリコン、銅、銀です。
表面のガラスは、うまく剥がせば再生できます。これはいいでしょう。シリコンはケイ素ですから単体で取り出せない限り、資源価値は高くありません。樹脂は、よほどうまく分けないとサーマルリサイクルでしょう。
ポイントは、銅と銀の回収です。
いずれも、細~い線ですので、ガラスを取り除いただけでは、含有量としてかなり微量です。この状態で非鉄精錬会社に持ち込んでも、運賃がかかりますし、買取になりません。
これの含有量を高める技術(破砕選別等)が、現在研究開発されています。まだ先の話ではありますが、必ず発生するものですから、その時にしっかりと対応できるように技術を磨いておくことが大切です。
太陽電池のリサイクルについては、環境省発行の「 太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」がとてもよくまとまっています。
これのp.12に、今後の発生予測があります。
現状ほとんどないのに、ピーク時には80万トン発生するそうです。
似たようなものに、車載用のリチウムイオン電池、CFRP、車載・家庭用の燃料電池などがあります。
そういえば新素材・技術といえば、環境系のものばかりですね。
(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)