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SDGsを攻めのCSRに!一瞬の流行に終わらせないために。

2017年08月10日

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目次

SDGsのことをご存知でしょうか。

最近では、ピコ太郎がニューヨークの国連本部でSDGsに関する新ネタを披露したということで、多くのメディアで取上げられたため、その知名度はさらに上がっているはずです。

SDGsとは、全世界的な課題解決のための目標で、2030年までに各国政府や企業、NPO、市民すべてが取組み、達成すべきものとして2015年に国連で採択されました。
17個の具体的なゴールがあり、それぞれのゴールをさらに細かく記述したターゲットが169個もあります。

17個のゴールの中で、環境に関係するゴールがどれであるかが環境省のHPでも提示されています。
http://www.env.go.jp/earth/sdgs/index.html

中でも、資源循環にかかわりが深いのが、「目標12. 持続可能な消費と生産」です。
(上記は環境省HPの和訳です。原文の英語版は以下の通りです)
ENSURE SUSTAINABLE CONSUMPTION AND
PRODUCTION PATTERNS)

関係が深そうなターゲット

さらに、この「目標12.」の中のターゲットとして資源循環に関係が深いと思われるものを外務省仮訳から抜粋します。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf

12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。

こんなもの強制力もないし、誰も注目していないから意味ないでしょ、という声を聞くことがあります。
しかし、世界の有識者が人類の課題として共通認識しているという事実を、CSRやサスティナビリティの観点から無視することはできません。

また、SDGsで語られているかどうかに関わらず、社会的な課題として今後クローズアップされることが予想されます。日本国内だけでなく、海外においてもこのような取り組みが進むものと考えるべきでしょう。

内容的には真新しい目標やターゲットではありませんが、先行き不透明な現代社会において、予測可能な近未来のニーズと考えることができます。
国や地域によって温度差はあるとしても、法規制や補助金に少なからず影響があるはずです。
守りのCSRとしてではなく、攻めのCSRという視点からもこれらのターゲットを見てみてはいかがでしょうか。

また、他の業界でどのようなニーズが今後考えられるのかを知るために、他の目標の中身をのぞいてみるのもよいでしょう。
直接・間接、濃淡の差はあれ、全ての目標に関わりがあるはずですから。

(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)