
すごいぞセメント!なんと東京ドーム16杯分のリサイクルをしている!?
2017年08月28日

目次
セメント資源とは
セメント業界は、産業基礎資材を提供する「動脈産業」としてのイメージを持たれている方も多いと思いますが、様々な産業や自治体から排出される廃棄物・副産物を受け入れて、セメント資源としてリサイクルをする「静脈産業」としての役割も担っております。
セメント製造工程は「高温焼成」という特性を持つため、様々な産業から排出される廃棄物を安全かつ大量にリサイクルすることができます。セメントの主成分は、CaO、SiO2、Al2O2、Fe2O3であり廃棄物・副産物に関してもこれらの成分を含んでいれば基本的にはセメント原燃料として利用することができます。
大量の廃棄物・副産物がセメント原燃料として使用できる理由は、
①セメントの主成分であるCaO、SiO2、Al2O2、Fe2O3が含まれている廃棄物を原料として活用できること
②廃プラスチック類など可燃性廃棄物の熱量を化石燃料の代替として利用できること
③可燃性廃棄物の燃え殻をセメント原料として取り込むため、二次廃棄物が出ないこと
④焼成温度が1450℃と高温であるため、ダイオキシン類等の有害物質も分解されること
等があげられます。
なお、廃棄物・副産物の利用にあたっては、その成分・性状に適した処理をセメント製造工程で行っており、天然原料と同様に化学成分を確認した上でセメント再資源化を行っております。
セメント業界では、様々な産業や自治体から排出される多様な廃棄物・副産物を受け入れております。
例えば、廃タイヤはほとんどが可燃性ゴムで構成されており、化石燃料の代替として利用できます。また、廃タイヤのスチールワイヤもセメントの鉄成分として原料代替に使用されております。
このように廃棄物・副産物を年間約2500万t以上受け入れてセメントとしてリサイクルしており、これを容積に換算した場合、東京ドーム16杯分に相当します。
また、国内のセメントの年間生産高は約6000万tで、セメント1t当たりの廃棄物・副産物の使用量を換算すると約470kgとなります。
廃棄物・副産物のセメント再資源化により、最終処分場への埋立て量を減らすことができ、最終処分場の延命の役割も担っております。
セメント業界では、廃棄物・副産物のセメント資源化などの高度な環境技術により循環型社会の構築と地球環境の保全に取り組んでいます。
(セメント担当 太平洋セメント株式会社 環境事業部 濱崎)
太平洋セメント株式会社ホームページ