
これからは自然分解するプラスチックが主流になりそう!?
2018年03月08日

この記事のポイント
・マイクロプラスチックの海洋汚染が進んでいる
・その影響はまだはっきりとはわかっていない
・将来的にはさらなるリサイクルと生分解性プラへの要求が高まりそうだ
目次
最近何かと話題のマイクロプラスチック
マイクロプラスチックとは(資料によって少し定義が異なりますが)、環境省の資料では海洋中の5㎜以下の微細なプラスチックのことを指します。
海洋中のプラスチックは、大きなものでも徐々に小さくなってマイクロプラスチックになりますし、化粧品や歯磨きに含まれる研磨剤、工業用の研磨剤、洗濯などにより衣料から脱落する合成繊維のくずなども原因として考えられています。
サイズの大きなプラスチックと異なり、化学物質を吸着しやすく摂食しやすいため、海洋生物の体内に取り込まれ、有害物質が吸収される可能性などが想定されていますが、長期的な影響は詳しくは分かっていません。
今後ますます増加することが見込まれているにも関わらず、生態系への影響がほとんど分かっていないため、ダボス会議でも話題となっています。
ダボス会議
ダボス会議に2016年1月に出された「The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics」という資料によると、現在年間800万トンものプラスチックが海に流れ込んでいて、これは毎分ダンプトラック1杯分のプラスチックが海洋投棄されているに等しく、2030年にはこれが2杯に、2050年には4杯に増加するという予測です。
現時点で海洋中に1億5千万トンのプラスチックが存在していて、2025年には重量比でプラスチック1:魚3になり、2050年にはプラスチックが魚の重量より重くなるということです。
分解されにくいため、世界中の海全体にひたすら溜まっていくのですから、いつか何らかの大問題を発生させるに違いない、という懸念があるのです。
2015年1月の「Plastic waste inputs from land into the ocean」によると、大小合わせたプラスチックの海への流出量は2010年時点(想定)で1位から4位が、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナムということで、東アジア・東南アジアでの汚染が進んでいるようです。
影響が不明だからこそ恐ろしく、後になってマイクロプラスチックを世界の海から回収するのは大変なコストになるかもしれません。
そう遠くない将来、さらなるリサイクルの推進と、生分解性(自然分解する)の素材を使用する要求が高まってくるかもしれません。
「The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics」
(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)