
自動車リサイクルの流れとは?リサイクル券がない場合の対処法も解説
2025年02月14日

車を廃車にする際は、自動車リサイクル法に基づき正しい手続きを行う必要があります。
自動車リサイクル法とは、廃車となった車の部品や材料を再利用し、環境にやさしい社会を目指すために定められた法律です。
本記事では、自動車リサイクル法の基本的な仕組みや流れ、注意すべきポイントについて、分かりやすくご紹介します。また、リサイクル券がない場合の対処法もあわせて説明します。
廃車を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
車を手放す方法は廃車、買い取り、下取りの3つ
不要になった車を手放す方法としては、主に「廃車」「買い取り」「下取り」の3つがあります。それぞれ以下のような方法で手続きを行います。
- 廃車
車が老朽化したり、修理費が高額になったりする場合、廃車を選ぶのが一般的です。廃車手続きは、自動車リサイクル法に基づき、自動車リサイクル業者や解体業者に依頼します。 - 買い取り
まだ使用できる車の場合、中古車販売店やリサイクル業者などの買い取り業者に査定を依頼し、車を現金化します。買い取り業者は車の年式や走行距離、状態、需要などを総合的に評価し、価格を提示します。高額で買い取られる可能性が高いのは、人気車種や年式が比較的新しい車です。 - 下取り
新しい車を購入する際に、現在の車を販売店に引き取ってもらう方法です。引き取られた車の価格がそのまま購入代金に充当されるため、手続きがシンプルで、買い替えをスムーズに進められるのが特徴です。特にディーラーでの下取りは、購入手続きと同時に進められるため、手間を省きたい方に適しています。
廃車は自動車リサイクル法に則り行う
廃車手続きを行う際は、自動車リサイクル法に基づいて適切に手続きする必要があります。自動車リサイクル法は、車のリサイクルを促進し、環境への悪影響を軽減するための法律です。
自動車リサイクル法に違反をした場合、以下のような罰則を受ける可能性があります。
- 廃棄物処理法の無許可営業:5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
- 無許可業者への引き渡しや不法投棄:1年以下の懲役または50万円以下の罰金
車を廃車にする際は、自治体から許可を得た信頼できる業者を選び、法令を遵守した手続きを行うことが重要です。
廃車を検討している方は、法律違反による罰則を避けるためにも自動車リサイクル法を事前に理解しておきましょう。
参考:「自動車リサイクル法に違反した場合」(環境省)
自動車リサイクル法とは?
自動車リサイクル法は、廃車に含まれる部品や材料を再利用し、環境への負荷を減らすことを目的とした法律です。主にシュレッダーダスト(使用済みの車を解体・粉砕した際に発生する細かい残渣(ざんさ)のこと)、エアバッグ類、フロン類の適切な処理が義務付けられています。
これらの処理費用として、リサイクル料金が設定されます。料金は車種によって異なり、新車購入時や中古車購入時に支払うのが一般的です。
リサイクル料金は「預託金」として支払われ、廃車時にフロンガスの回収や破壊、エアバッグの処理、シュレッダーダストの再資源化などに充てられます。
自動車リサイクル法についてより詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
5分で分かる「自動車リサイクル法」自動車リサイクル料金は何に活用されているの?
https://www.re-ver.co.jp/ecoo-online/waste-disposal-low/20230124.html
車のリサイクル料金は車種によって違う
車のリサイクル料金は、車種やメーカーによって異なります。
具体的な金額は、自動車リサイクルシステムのWebサイトで確認できます。
車検証に記載されている車台番号や登録番号を入力すると、該当車のリサイクル料金が照会可能です。一般的な車のリサイクル料金は、およそ6,000円から18,000円の範囲となっています。
▼リサイクル料金の水準
車の種類 | 3品目のリサイクル料金の合計額の水準 |
軽・小型乗用車(コンパクトカー) エアバッグ類4個、エアコン有り |
7千円~1万6千円程度 |
普通乗用車 エアバッグ類4個、エアコン有り |
1万円~1万8千円程度 |
中・大型トラック エアバッグ類2個、エアコン有り |
1万円~1万6千円程度 |
大型バス エアバッグ類2個、エアコン有り |
4万円~6万5千円程度 |
参考:「リサイクル料金」(公益財団法人 自動車リサイクル促進センター)、「自動車リサイクル法とは」(経済産業省)
車をリサイクルする流れ
車をリサイクルする流れについて解説します。廃車にする際は、以下の手順で進めます。
1.必要書類を準備する
2.引き取り業者に車を引き渡す
3.永久抹消登録の手続きをする
1.必要書類を準備する
廃車手続きを行う際には、下記の書類が必要です。
▼普通自動車の場合
・自動車検査証
・実印/印鑑証明(所有者のもので、発行日から3ヶ月以内のもの)
・リサイクル券A・B券
・身分証明書
・通帳など口座番号がわかるもの
・普通車登録専用委任状
▼軽自動車
・自動車検査証
・リサイクル券A・B券
・身分証明書
・通帳など口座番号がわかるもの
・認印
・軽自動車抹消申請用依頼書
リサイクル券を紛失した場合、再発行はできませんが、自動車リサイクルシステムを利用して対応できます。
「自動車リサイクル料金の預託状況」PDFファイルを印刷すれば、リサイクル券の代わりとして使用可能です。
「自動車リサイクル料金の預託状況」の印刷の仕方は、こちらを参考にしてください。
2.業者に車を引き渡す
必要な書類が用意できたら、適切な登録および許可を受けた引き取り業者に連絡し、車を渡します。引き取り業者は、自動車リサイクル法に基づき、有害物質の適切な回収と部品の分解を行います。
引き渡し後は、引取証明書を必ず受け取り、大切に保管してください。この証明書は、車が適切に処理されたことを示す重要な書類です。
リバー株式会社は、自動車リサイクル法で定められた引き取り業、フロン回収業、解体業、破砕業のすべてで登録・許可を取得している廃棄物処理・資源リサイクル企業です。
廃車手続きのサポートから適切なリサイクル処理まで、一貫して対応しています。以下の記事に、車の受入れから選別、解体までの流れをご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
3.永久抹消登録の手続きをする
車を解体したあとは、「永久抹消登録」を行い、車の登録を正式に抹消します。
永久抹消登録を行うと、自動車税や自賠責保険料の還付を受けることが可能です。還付金が受け取れる場合もあるため、手続きを忘れずに進めましょう。
必要な書類は以下の通りです。
- 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード)
- 実印/印鑑証明(所有者のもので、発行日から3ヶ月以内のもの)
- リサイクル券またはリサイクル料金の預託証明書
- 引取証明書(解体証明書)
- 自動車検査証
- ナンバープレート
自動車リサイクル法のメリット
車のリサイクルは、環境保護や資源の持続可能な活用、さらに経済的な利点を実現する上で欠かせない取り組みです。適切なリサイクルを行うことで、個人だけでなく社会全体に大きな利益をもたらします。
ここでは、車をリサイクルすることで得られるメリットを詳しく解説します。
- 不法投棄の防止
- 資源の有効活用
- 廃車費用の明確化
不法投棄の防止
自動車リサイクル法の導入により、廃車の処理が法令に基づいて厳格に管理されるようになり、不法投棄のリスクが大幅に減少しました。
さらに、車から回収された金属や部品は、新たな製品の材料として再利用され、廃棄物の削減と資源の有効活用に大きく貢献しています。
車の不法投棄は、土壌や水質の汚染を招き、自然環境に深刻な被害を及ぼす恐れがあります。こうした環境破壊を防ぐためにも、適切なリサイクルの実施が欠かせません。
資源の有効活用
廃車から回収された金属やプラスチック部品は、新たな製品の材料として再利用されています。鉄鉱石や石油などの天然資源の採掘量を減らし、資源の枯渇リスクを軽減することができるのです。
さらに、新しい材料を製造する際のエネルギー消費を削減できるため、温室効果ガスの排出抑制にも寄与します。
自動車リサイクル法は、資源保護と環境負荷の低減を同時に実現する取り組みであり、持続可能な社会の構築には欠かせない役割を果たしています。
廃車費用の明確化
自動車リサイクル法の確立により、リサイクル料金が事前に明確化され、廃車費用を把握しやすくなりました。
不透明な費用への不安が軽減され、手続きをスムーズに進められるようになっています。
また、不当な業者を取り締まる法令の整備により、不当な追加料金や詐欺被害を避けることができ、安心して廃車手続きを進められます。このような透明性と信頼性の確保は、自動車リサイクル法がもたらす大きな利点といえるでしょう。
車をリサイクルする際の注意点
車をリサイクルする際には、適切な処理を行うためにいくつかの注意点があります。以下に、そのポイントを解説します。
- 自治体の登録・許可を受けた引き取り事業者を選ぶ
- 車の中にゴミなどを入れたままにしない
- 追加でリサイクル料金が加算される場合もある
自治体の登録・許可を受けた業者を選ぶ
車をリサイクルする際は、自治体の登録・許可を受けた引き取り事業者に依頼することが非常に重要です。
無許可の業者に依頼すると、適切な処理が行われないリスクがあり、その結果、依頼者自身が法律違反とみなされ、罰則を受ける可能性があります。トラブルを防ぐためにも、必ず信頼できる事業者を選ぶことが大切です。
リバーは、自動車リサイクル法に基づき登録・許可を取得している企業です。法令を遵守し、適切な処理とスムーズなリサイクル手続きを提供しています。
車を廃車したい、買い取ってほしい、自分の車の価格が知りたいなどぜひお気軽にお問い合わせください。
車の中にゴミなどを入れたままにしない
廃車にする車を引き渡す際、車内にゴミなどが残っていると、業者から受け取りを拒否される場合があります。
不要なものが混入しているとリサイクル作業に支障をきたし、効率が大きく損なわれる原因となるためです。
引き渡し前に車内をしっかりと確認し、個人の所有物やゴミが残っていない状態にしておきましょう。特に、貴重品や重要な書類が車内に置き忘れられていないかチェックすることをおすすめします。
追加でリサイクル料金が加算される場合もある
リサイクル料金は、シュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類の3品目に限定されています。
エアバッグやエアコンを後で付けた場合は、新車購入時のリサイクル料金に含まれていませんので、廃車時に資金管理料金の支払いが必要です。
また、長期間放置されていた車や事故車の場合、引き取りや解体に手間がかかり、追加費用が発生するケースもあります。
追加費用を避けるためにも、車の状態や費用について事前に業者に確認しておくようにしましょう。
車のリサイクルに関するよくある質問
車のリサイクルに関するよくある質問にお答えします。正確な情報を基に手続きを進めれば、安心して車をリサイクルでき、環境保護や資源の有効活用にも貢献できるでしょう。
車のリサイクル料金はいつ支払いますか?
A.車のリサイクル料金は、新車を購入する際には販売店にて支払うのが一般的です。
中古車の場合は購入時に旧オーナーまたは中古車販売店を通じて支払います。支払い後はリサイクル券が発行されるため、保管しておきましょう。
リサイクル券がない場合でも車を売却できますか?
A.リサイクル券がない場合でも、車を売却することは可能です。ただし、リサイクル料金の支払い状況を証明する必要があります。
自動車リサイクルシステムで車のリサイクル料金納付状況を確認できるため、事前に調べておくとスムーズです。
自動車リサイクル法に違反するとどんな罰則がありますか?
A.自動車リサイクル法に違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることがあります。
自動車リサイクル法違反の例としては、以下のようなものがあります。
- 無許可で解体業を行う
- 使用済自動車のシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類を取り外して転売する
- 有用な部品のみを取り外した使用済自動車を他の業者に引き渡す
- 解体前にフロン類を回収しない
また、自動車リサイクル法の登録を受けていない無許可業者に廃車を依頼することも法律違反となります。業者選びは慎重に行いましょう。
廃棄物処理法に違反した場合、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。
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廃車の買い取りや適切なリサイクル処理でお悩みの方は、リバーにぜひご相談ください。リバーでは、引き取り業、フロン回収業、解体業、破砕業のすべてで登録・許可を取得しており、法令を遵守した安心・安全なサービスを提供しています。
解体から破砕までのプロセスを一貫して行えるため、手続きがスムーズで効率的です。廃車処理に関する面倒な作業もお任せいただけます。事故車などの動かない車でも買い取りすることが可能です。お気軽にご相談ください。
詳しい情報やお問い合わせは、以下のリンクからご確認ください。また、LINEでも査定を行っておりますので、ぜひお気軽にご利用ください。安心して廃車手続きを進められるサポートをご用意しております。