
産業廃棄物のバッカンとは?現場での役割や運用ルールを解説
2025年04月25日

建設現場や工場などで活躍する「バッカン」は、産業廃棄物や資材の一時保管・運搬に欠かせないコンテナです。本記事では、バッカンの由来や種類、活用方法から、使用時に遵守すべき法令や保管ルールまでをわかりやすく解説。適切な管理と運用のポイントを紹介します。
目次
バッカンとは?
バッカンとは、廃棄物や資材などを一時的に収納し、車両に脱着して運搬できるコンテナのことで、産廃ボックスと呼ばれることもあります。バッカンという言葉の語源には諸説ありますが、もともとは旧日本海軍で食事を運ぶために使われていた鉄製の容器「麦缶」や「飯缶」が由来とされています。これが転じて、鋼製の大きな入れ物全般を指す言葉として広く使われるようになったようです。現在では、産業廃棄物の保管容器だけでなく、釣り用の道具箱なども「バッカン」と呼ばれることがあります。
バッカンが産業廃棄物の保管・収集運搬の際に使用される主な理由は、作業効率の向上と安全性の確保にあります。たとえば、廃棄物をまとめて一時保管することで、場内を整理整頓しやすくなり、作業スペースを確保できます。また、種類ごとにバッカンを分けることで廃棄物の分別がしやすくなり、適切な処理につながるでしょう。さらに、バッカンは大型トラックなどに連結させて運搬が可能なため、効率的に回収でき、コスト削減にも寄与するとされています。
このような多くのメリットから、バッカンは廃棄物管理の現場において非常に重要なツールとされているのです。
バッカンにはどんな種類がある?
バッカンの用途
バッカンは排出された廃棄物を現場で一時的に保管・分別するために使用され、規定量がたまった段階で、バッカンごと処理施設へと運搬します。バッカンはさまざまな現場で使用されていますが、主に使われる業界には以下のようなものがあります。
・建設・解体現場
がれきや木くず、コンクリート片などの廃材を一時的に保管する用途で使用される
・工場・物流施設
金属くずやプラスチックくずなど製造や流通過程で発生する排出物の仮置きに使用される
・清掃・不用品回収
粗大ごみや不用品の回収容器として、多様な現場で導入される
・イベント・大型商業施設
多量のごみが発生する際の仮設容器として、一時的に設置される
なお、バッカンにはさまざまなサイズや形状があり、排出物の種類や量、現場のスペースに応じて最適なタイプを選ぶことができます。
バッカンの種類
一般的なバッカンの容量は1㎥程度の小型タイプから、8㎥以上の大型タイプまで幅広く、用途に合わせて最適なサイズや形状を選ぶのがポイントになります。たとえば、都市部の狭小現場や短期間の作業では、小型のバッカンが適しており、設置・撤去が容易で、必要最小限のスペースで運用できます。一方、大規模な建設・解体現場などでは、大型バッカンを導入することで、廃棄物の回収頻度を減らし、効率的な運用が可能となります。サイズ選定の際は、回収業者の対応可能な仕様や、地域の条例・ルールも確認しておくとよいでしょう。
なお、ほとんどのバッカンは鉄製であるため腐食に弱く、液体や酸性のものを入れるのは避ける必要があります。
<バッカンのサイズ>
バッカンの容量 |
縦の長さ |
横の長さ |
高さ |
0.5㎥ |
約600mm |
約1200mm |
約600mm |
1.5㎥ |
約900mm |
約1800mm |
約900mm |
2㎥ |
約1000mm |
約2000mm |
約1000mm |
3㎥ |
約1800mm |
約1800mm |
約900mm |
4㎥ |
約1800mm |
約1800mm |
約1200mm |
6㎥ |
約900mm |
約1900mm |
約3500mm |
8㎥ |
約1900 mm |
約3600mm |
約1200mm |
バッカン使用時の注意点やルールとは?
バッカンを産業廃棄物の保管容器として使用する場合には、廃棄物処理法に基づき、必要な対策を実施する義務があります。具体的には、次のような項目が求められます(石綿や水銀などを含む廃棄物は除く)。
① 囲いの設置
産業廃棄物の保管場所には、周囲に囲いを設ける必要があります。特に、廃棄物の荷重が囲いに直接かかる場合は、構造的に安全な強度が求められます。
② 掲示板の設置
保管場所の見やすい位置に、以下の事項を記載した縦横60cm以上の掲示板を設置します。文字の大きさや色に関する規定はありませんが、遠くからでも見やすいように工夫することが推奨されます。
<掲示内容>
・産業廃棄物の保管場所であること
・保管する産業廃棄物の種類
・保管場所の管理者の氏名または名称、連絡先
・最大積み上げ高さ(屋外で容器を用いずに保管する場合)
③ 飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止
産業廃棄物が飛散や流出しないよう、適切な措置を講じます。また、地下への浸透や悪臭の発散を防ぐための対策も必要です。
④ 汚水対策
保管中に汚水が発生する場合、公共水域や地下水を汚染しないよう、排水溝の設置や底面は不浸透性の素材で覆うことが求められます。
⑤ 害虫・害獣の発生防止
ねずみ、蚊、ハエなどの害虫や害獣が発生しないよう、衛生管理を徹底します。
⑥ 屋外保管時の積み上げ高さ制限
容器を使用せずに屋外で保管する場合、積み上げ高さに制限があります。廃棄物が囲いに接していない場合は、囲いの下端からの勾配が50%以内(約26.5度)に収める必要があります。 廃棄物が囲いに接している場合(囲いに直接荷重がかかる場合)は、囲いの内側2メートルの範囲では、囲いの高さより50cm低い高さ以下に抑えることが求められます。さらに、その2メートルより内側の範囲では、勾配50%以内にする必要があります。
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