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自社の事業がサステイナブルかどうかってどうやって判断するの?|タクソノミーという分類法が検討されはじめています。

2019年08月07日

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この記事のポイント

・タクソノミーとは、分類、分類学、分類法と言う意味の英単語。
・日本国内ではIT用語として使われてきたが、最近はサスティナビリティの世界でも使われ始めている。
・自社が、今後社会からどのように判断されるのか=投資してもらえるのか、さらにはユーザーや消費者に購入してもらえるのか、に、関係する可能性がある。

目次

taxonomy(タクソノミー)

「taxonomy」とは、分類、分類学、分類法と言う意味の英単語で、日本国内ではIT用語として使われてきたのですが、最近はサスティナビリティの世界でも使われ始めています。一言で言うと「個別事業がサステイナブルかどうかの具体的分類」が始まったということです。

この手の仕組みやルール作りといえば、やはりEUのお家芸と言ってよいと思いますが、現在進行中ですので日本国内ではあまり解説がされていません。

EUのウェブページとしては、こちらのページがありますが>>EUのWebサイトへ

日本語の資料でまとまっているのは、経済産業省のこちらの資料のp.22以降でしょう。>>経済産業省のWebサイトへ

分かりやすく言うと、ESG投資は、ESGに配慮した経営をしている会社に投資をするのですが、そもそも環境・サスティナビリティに配慮しているかどうかについての共通の基準がありません。そこで、事業ごとに基準を作っていき、ラベルもつけていきましょう、ということのようです。これによると、ハイブリッド車も原子力発電も除外されます。

対象となる事業は今のところ以下の通りだそうです。

  1. 農林水産業(植林、森林再生、森林保全、森林管理、農業活動)
  2. 製造業(製造段階の省エネ、再エネ機器の製造、低炭素自動車・部品の製造・インフラ整備、ビルの省エネ機器 の製造、鉄鋼、化学、セメント、その他の低炭素技術に係る製造)
  3. エネルギー(地熱発電、水力発電、太陽光発電、風力発電、海洋エネルギー発電、集光型太陽光発電、発電、電熱供給、熱供給、送電・配電・貯蔵)
  4. 運輸(鉄道、運輸、自家用車・商用車などの陸運、自動車の具体的な排出基準等、海運、空運)
  5. 建設業・不動産業(新築の建築、既存建築のリノベー ション)
  6. 水供給、下水、廃棄物管理、浄化活動(水、下水、廃棄物管理)
  7. 専門的・科学技術サービス(タクソノミーに関わる活動)

これらの事業について、サスティナブルかどうかの具体的な判断基準が作成され、EUが個別事業をラベリングしたり、規制手段として使ったり、EU外も含め銀行、保険他の投資家の判断材料として使ってもらう、という考えのようです。

パブリックコメントも受け付けて行われていますので、民主的な手続きで構築されたといえますし、デファクトスタンダードになる可能性があります。

皆さんが直接、間接的に関与される事業が、今後社会からどのように判断されるのか=投資してもらえるのか、さらにはユーザーや消費者に購入してもらえるのかに関係する可能性があります。東京オリンピック前には具体化するはずですので、ぜひ注目しておいてください。

(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)