古いスマホや携帯電話の廃棄・処分方法は? 捨てる際の注意点も解説
2024年03月19日
使わなくなった携帯電話やスマホ、家に溜め込んでいませんか?これらを適正に廃棄することで、希少金属などの再資源化につながります。この記事では、携帯電話やスマホの適正な処分方法、その注意点、そしてリサイクルの詳しい流れをご紹介します。
目次
なぜ古いスマホや携帯電話の適正処分が重要なのか?
貴重な金属が含まれるスマホや携帯電話
携帯電話やスマホといった小型家電には、金をはじめとした「レアメタル」と呼ばれる希少金属が含まれています。日本では年間約65万トンの小型家電が廃棄されていますが、その中には844億円分もの希少金属が含まれていると言われており、このような廃棄物に埋もれた資源は「都市鉱山」と呼ばれています。日本に都市鉱山として埋蔵されている金の量は6,800トンと推計されていますが、これは世界中の金埋蔵量4万2,000トンのうち、約16%を占めています。日本は天然資源量では世界に劣るものの、都市鉱山の金埋蔵量は資源大国に匹敵すると考えられています。
※環境省「エコジン」よりグラフ画像引用
こうした状況を踏まえ、2013年に小型家電リサイクル法が施行され、使用済み小型家電から金属やレアメタルを回収し、再資源化を促進させる取り組みが始まりました。さらに、2021年開催の東京オリンピック・パラリンピックでは、都市鉱山の認知度を上げるため、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」が実施され、合計5,000個のメダルが都市鉱山からつくられ、注目を集めました。
このメダルプロジェクトによって小型家電の回収が認知され始めたものの、いまだに日本には多くの希少金属が未回収のまま残っています。身近なスマホや携帯電話の適正処分は、希少金属の再資源化に向けた第一歩と言えるでしょう。
小型家電リサイクル法とは
使用済みの小型電子機器等の再資源化事業を促進するために制定された法律。回収対象となる品目や回収方法は各自治体で定められており、国が認定した事業者によって適切かつ確実な再資源化が行われる。
個人情報や機密情報の漏洩対策
情報漏洩リスクの観点からも、携帯電話やスマホの適正処分は重要です。直近では、2021年10月にSIMロックが原則禁止され、スマホを購入したキャリアとSIMを契約したキャリアが別でも使用できる端末が普及。これによりスマホの中古市場が拡大し、ユーザーは高品質なスマホを安価に入手できるようになった一方で、新たなリスクも発生しています。
例えば、中古品としてスマホや携帯電話を売却する際、自らデータ消去・初期化などを行っても、端末に基板が残っていれば復元は可能です。悪意のある手に渡った場合、情報漏洩のリスクは高いでしょう。特にスマホには重要な個人情報が記録されるようになっているため、適正処分はますます重要になっています。
古いスマホや携帯電話はどこで処分すべき?
「小型家電回収ボックス」へ投函する
各自治体では小型家電リサイクル法に基づき、携帯電話やスマホをはじめとした小型家電の回収を実施しています。回収方法は市区町村ごとに定められており、回収ボックスが設置されている場合はそこに投函可能です。回収ボックスは公共施設や学校、家電量販店やスーパーなどに設置されていることが多く、詳しくは自治体のホームページから確認できます。なお、回収された小型家電は認定事業者へ引き渡され、厳重に管理されたのち、確実に再資源化されます。
携帯電話ショップへ持ち込む
携帯電話のショップでは、ほとんどの店舗で使用済みのガラケーやスマホの回収を行っています。ブランドやメーカーを問わず無償で引き取ってもらえるうえ、充電器などの付属品も回収可能。キャリアによってはガラケーをショップに持ち込むと、その場で物理破壊をしてくれるところもあるので安心です。回収した端末は各店舗で契約している認定事業者へと引き渡され、適正処理されます。
不燃ごみとして出せる自治体もある
自治体によっては、ごみ回収場所で資源回収と合わせて小型家電を回収したり、排出された不燃ごみのなかから清掃工場で選別回収するケースもあります。ただし、不燃ごみとして回収していない自治体も多いため、各市区町村のホームページで確認することが必要です。
可燃ごみは絶対NG!バッテリーが火災の原因に
携帯電話やスマホに内蔵されているバッテリー内のリチウムイオン電池は、高温多湿や衝撃に反応しやすく、炎天下や急な雨などにさらされたり、収集運搬車や処理施設で圧縮・破砕されたりすると、発火や破裂の原因となる恐れがあります。環境省が2021年度に行った調査では、リチウムイオン電池が原因とみられる火災は年間1万3,000件。加えて、リチウムイオン電池は携帯電話やスマホだけでなく、ノートパソコン、タブレット端末、デジカメ、モバイルバッテリー、加熱式たばこなど、多くの小型家電に使用されているため、火災のリスクは年々高まっていると言えます。そのため、これらを処分する際には、可燃ごみではなく必ず適正な処分方法を選ぶ必要があります。
無許可の不用品回収業者に要注意
スマホや携帯電話に限らず、家電製品を処分する際は、無許可の不用品回収業者の手に渡らないよう注意が必要です。買い取りや無料回収の宣伝をしている不用品回収業者のなかには、一般廃棄物収集運搬業の許可や市区町村の委託を受けていない業者も多くいます。そのような業者は廃棄物処理法に抵触する可能性があるうえ、貴重な金属がきちんと回収されないだけでなく不法投棄や環境汚染につながることも。不要になった小型家電は、上記にある適切な方法で回収してもらうことが重要です。
回収されたスマホや携帯電話はどこへ行く?
国の認定を受けたリサイクル工場へ
自治体やショップなどで回収された携帯電話やスマホは、認定事業者であるリサイクル工場へと運ばれます。認定事業者とは、国の認定を受けてリサイクルを実施している事業者であり、小型家電の回収から処理完了、再資源化までの過程を細分化・フロー化し、確実にリサイクルを実施する事業者です。また、情報機器等のセキュリティ管理体制においては、実地検査・定期的な立ち入り検査の審査を受けているため、安心して処理を任せることができます。認定事業者であるかどうかは、以下のマークで見分けが可能です。
▲小型家電認定事業者マーク
中間処理、製錬を経て新たな資源として再利用
各リサイクル工場では、決められたフローでスマホなどを処理していきます。一例としてリバー(株)熊谷事業所では、様々な状態で入荷するスマホを、まずは種類や大きさごとに手作業で仕分けすることから始まります。
仕分けられたスマホは、資源回収率を高めるために手解体されます。主に基板・バッテリー・筐体へ分別していきます。
その後、仕分けされた筐体・基板・バッテリーは、国内大手製錬所へと出荷され、製錬されます。携帯電話やスマホの部品を製錬して抽出されるのは、金・銀・銅・パラジウム、リチウム、コバルトなどです。製錬された金属はインゴット(製錬した金属を鋳型で固めたもの)にされ、それらを加工して新たな製品に生まれ変わります。
電子廃棄物に強みをもつ、リバー熊谷事業所
資源リサイクルを行うリバー株式会社の熊谷事業所では、情報セキュリティの国際規格「ISO/IEC27001:2013」の認証を取得し、ご紹介したようなスマホのリサイクルだけでなく、機密性の高い品目を多く取り扱っています。工場内は24時間、365日体制でCCDカメラによる監視を行うほか、機密エリアでは入退出をログ管理。さらに、スタッフはポケットレス作業着を着用し、入退出時には金属探知機で持ち物チェックを行っています。万全の体制で管理しているため、安心して大切な電子機器の処理をお任せいただけます。
機密性の高い電子機器類のリサイクルはリバーグループへ
ご家庭にあるスマホや携帯電話は、回収ボックスやショップに持ち込むのがおすすめですが、法人用端末やレンタル端末など、大量に小型家電が排出される場合は、リバーグループへご相談ください。リバー熊谷事業所・東松山事業所では、スマホだけでなく機密性の高いOA機器やサーバー、ATMなどの適正処分や、HDD内のデータ消去サービスも行っています。情報漏洩のリスク対策でお困りの企業様は、お気軽にお問い合わせください。
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